腰痛が治らないのはストレスが原因?腰が固まる理由とセルフケアを解説
2026年09月8日

ストレッチもしている。マッサージにも行っている。姿勢にも気をつけている。それでも、しばらくするとまた腰が固くなって痛くなる。
こういう慢性腰痛の方は、実際かなり多いです。腰痛には筋肉、関節、神経などいろいろな要因がありますが、腰そのものだけを見ても説明しきれないケースもあります。
特に、仕事が忙しくなると腰が痛い、人間関係で疲れると腰が重い、ずっと我慢している、寝ても体の力が抜けない。こういう傾向があるなら、ストレスによる体の緊張にも目を向けてみてください。
目次
- 腰痛が繰り返すとき、腰以外に見てほしいこと
- ストレスで体が「守りモード」に入る
- 肩、呼吸、お腹、食いしばり。緊張は腰までつながる
- 「力を抜いて」と言われても、抜き方がわからない理由
- 頑張り屋さん、我慢する人ほど腰痛が長引きやすい
- 東洋医学で考える感情と腰の関係
- 腰痛をストレスだけで決めつけないこと
- 腰を揉まないセルフケアは深呼吸から
- 我慢できる腰痛を放置しない
腰痛が繰り返すとき、腰以外に見てほしいこと
病院で湿布をもらっても変わらない。注射やリハビリをしてもすぐ戻る。整体やマッサージを受けた直後は楽でも、また痛くなる。
もちろん、こうした腰痛がすべてストレスで説明できるわけではありません。筋肉や関節、神経の問題があることもありますし、内臓の疾患が隠れている場合もあります。
ただ、検査で大きな異常が見つからないのに痛みが長引く場合や、施術後に一度は軽くなるのにまた戻る場合は、腰だけを揉み続けるよりも、次のような部分を含めて体全体を見ることが大切です。
- 睡眠が足りているか
- 呼吸が浅くなっていないか
- 肩やお腹に無意識の力が入っていないか
- 仕事、人間関係、将来、お金などへの不安が続いていないか
- 痛くても休まず、ずっと頑張り続けていないか
腰は体の土台です。そこだけを単独で見るのではなく、体がなぜ緊張し続けているのかを見る必要があります。
ストレスで体が「守りモード」に入る
ストレスというと、頭の中の問題だと思われがちです。でも実際には、ストレスは体の緊張として出ることがあります。
大きな音が突然鳴れば、誰でも一瞬「ビクッ」と身構えますよね。これは体が自分を守ろうとする、ごく自然な防御反応です。
昔であれば、外敵に備えるためにすぐ身構えることは生き残るために必要だったはずです。今はマンモスや猛獣に追われることはありませんが、仕事のプレッシャー、人間関係、家族の心配、経済的な不安などを、体は危険に近いものとして受け取ってしまうことがあります。
その結果、体はずっと守りモードのままになります。これは体が困らせようとしているのではなく、守ろうとしている反応です。
肩、呼吸、お腹、食いしばり。緊張は腰までつながる
一度、椅子に座ったままで試してみてください。
- 肩をグッとすくめる
- お腹にも力を入れる
- 奥歯を食いしばる
- その状態のまま息を吸う
かなり息が吸いにくく、呼吸が浅くなるはずです。次に肩を下ろし、お腹をゆるめて、ゆっくり息を吸って吐いてみてください。呼吸の入り方も、体の楽さも全然違うと思います。

ストレスが強い方には、主に次の3つが出やすいです。
- 肩が上がる
- お腹に力が入り続ける
- 奥歯を食いしばる
寝ている間の食いしばりが強く、マウスピースがすぐ割れてしまうような方もいます。そういう方は顎だけでなく、お腹も背中も固くなっていることが多いです。
背中がずっと固まれば、その土台である腰だけが柔らかいはずはありません。背中、お腹、骨盤まわりの緊張が続いた結果として、腰にも力が入り、慢性的な痛みにつながることがあります。
「力を抜いて」と言われても、抜き方がわからない理由
スポーツや施術の場面で「力を抜いてください」と言われることがあります。でも、ずっと緊張が続いている方にとっては、何をどうすれば力が抜けるのかわからないことも珍しくありません。
そもそも、誰も「今から腰に力を入れよう」と考えているわけではないんです。無意識のうちに体が反応して、勝手に腰や背中を固めている。
だからまず大事なのは、自分の腰痛に体の緊張が関係しているかもしれないと気づくことです。
「何をしても治らない」と諦めていた痛みに対しても、体が常に危険信号を出しているのかもしれない、と理解できるだけで、余計な緊張をゆるめる入口になります。
危険ではないのに「危険かもしれない」と体が思い込んでいると、腰や背中は休みなく固まり続けます。腰が硬いから痛いというより、守る必要がない場面でも守り続けていることが問題になっている場合があるんです。
頑張り屋さん、我慢する人ほど腰痛が長引きやすい
腰痛を繰り返す方には、頑張り続けるタイプが多いと感じます。
- 「これぐらいなら大丈夫」と無理をする
- 「自分がやったほうが早い」と抱え込む
- 人に迷惑をかけたくない
- しんどくても休めない
- 体が楽になったら、すぐ以前と同じように頑張ってしまう
ここは誤解しないでほしいのですが、「我慢する人は必ず腰痛になる」という話ではありません。
僕が見ているのは、我慢する癖がある人ほど、体の力を抜きにくいということです。頭ではストレスを感じていないつもりでも、肩はガチガチで、呼吸は浅く、お腹が固まっている。そんなことは本当によくあります。
痛みが軽くなったからといって、痛みを超えるような動きをすぐ再開しないことも大切です。回復の途中でまた頑張りすぎれば、同じ緊張のパターンに戻ってしまいます。
東洋医学で考える感情と腰の関係
東洋医学では、感情の偏りも含めて体全体のバランスを見ます。怒りやストレス、考えすぎ、悲しみ、恐れや不安といった感情は、体の巡りや緊張と関係するものとして考えられています。
とくに、恐れや不安は「腎」と関係が深く、腰にも影響しやすいとされます。ここでいう腎は、西洋医学でいう腎臓そのものだけを指す言葉ではありません。生命力、成長、老化、水分代謝などを含めた、より広い概念です。
仕事が心配、家族が心配、お金が心配。こうした不安が長く続くと、腰まわりだけでなく、体全体の巡りや緊張状態にも影響が出やすくなります。
「感情が腰に残る」と聞くと、感情が物質として腰に溜まるように感じるかもしれませんが、そういう意味ではありません。感情によって体の反応や使い方が変わり、それが続くということです。
たとえば強く怖い思いをした瞬間、人は息を止め、肩をすくめ、体を固めます。出来事が終わっても、似たような状況になると体がその姿勢や緊張を思い出して反応することがあります。頭では「昔のこと」と思っていても、体には防御反応が残っている場合があるんです。
腰痛をストレスだけで決めつけないこと
ここは非常に大事です。腰痛イコールストレスではありません。
神経、関節、筋肉の問題もありますし、病気が隠れている可能性もあります。次のような場合は、自己判断せず医療機関で相談してください。
- 強い痛みが長く続いている
- しびれが強い、または続いている
- 筋力が落ちている
- 発熱などを伴う
- 日常生活に大きな支障が出ている
必要な検査を受けることは大切です。そのうえで、検査では大きな問題が見つからない、治療すると一時的には楽になるのにすぐ戻るという場合は、ストレス、睡眠、呼吸、全身の緊張という視点を一つ加えてみてください。
手術を勧められた場合も、手術そのものだけを考えるのではなく、その後のリハビリや日常復帰まで含めて考える必要があります。手術をすれば終わりではなく、回復までの取り組みも大きなポイントになります。
腰を揉まないセルフケアは深呼吸から
今回、まずやってほしいセルフケアはシンプルです。寝る前に深呼吸を10回ほどすることです。
無理に体を変えようとせず、肩を下ろして、お腹をゆるめ、ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。これだけでも、体が守りモードから少し離れやすくなります。
寝つきが悪い、寝ていても体が休まらないという方にも、まず取り入れやすい方法です。
足の甲にある太衝を押す
もう一つのセルフケアは、足の甲にある太衝というツボです。親指と人差し指の骨が交わるあたりにあります。

痛すぎるほど強く押し込む必要はありません。気持ちよく感じる程度に刺激してみてください。東洋医学では肝に関係するツボとされ、緊張やストレスをやわらげるための一つの方法として使われます。
施術でも腰だけを見るのではなく、お尻、太もも、足首など、腰とつながる場所を確認します。なかなか治らない腰痛ほど、腰だけの問題として終わらせないことが大切です。
我慢できる腰痛を放置しない
腰痛は我慢できてしまうことがあります。動けるし、走れるし、仕事もできるから大丈夫。そんなふうにやり過ごしてしまうことも多いです。
でも、虫歯が少し痛むのに放置して、気づいたら大きな治療が必要になるのと同じで、腰痛も蓄積を軽く見ないほうがいいです。
我慢が10年、20年と重なれば、ぎっくり腰を繰り返したり、足のしびれが出たり、より大きな問題につながったりすることもあります。
過保護になりすぎる必要はありません。ただし、マッサージを受けても何度も戻る腰痛は、同じ場所に同じアプローチを繰り返すだけでは変わらないことがあります。
ストレス、不安、我慢が続くと、呼吸が浅くなり、お腹と背中が固まり、その結果として腰も固まる。まずはこのつながりを知ってください。体は無理やり変えるものではありません。整う条件をつくっていけば、体はちゃんと変わり始めます。
よくある質問
ストレスだけで腰痛になることはありますか?
腰痛の原因をストレスだけで決めつけることはできません。ただし、ストレスや不安が続くことで呼吸が浅くなり、肩、お腹、背中、腰に無意識の緊張が続き、痛みが長引いたり繰り返したりすることはあります。
ストレッチやマッサージをしても腰痛が戻るのはなぜですか?
筋肉を一時的にゆるめても、仕事の負担、睡眠不足、食いしばり、浅い呼吸、我慢する習慣などによって体が再び守りモードに入ると、腰もまた固まりやすくなります。腰だけでなく、全身の緊張状態を見ることが大切です。
寝る前の深呼吸はどのくらいやればいいですか?
まずは10回ほどで十分です。肩とお腹の力を抜き、ゆっくり吸って、ゆっくり吐いてください。苦しくなるほど頑張って深く吸う必要はありません。
腰痛で病院に行く目安はありますか?
強い痛みやしびれが続く場合、筋力低下がある場合、発熱を伴う場合、日常生活が大きく制限される場合は、早めに医療機関で相談してください。
動画でも解説しています。









