【腰痛を繰り返す人へ】腰を揉んでもまた痛くなる理由とは?見直したい体のチェックポイント

2026年10月28日

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腰が痛いから、腰を揉む。腰を伸ばす。腰まわりをストレッチする。湿布を貼る。どれも、ごく自然な対応ですよね。僕も昔はそうしていました。

それで楽になることもあります。そこを否定したいわけではありません。

ただ、数日後にはまた痛くなる。揉むと楽になるけれど、また戻る。それを何年も繰り返しているなら、そろそろ一度立ち止まってほしいんです。「腰が痛いから、まず腰を何とかする」という順番で、本当にいいんでしょうか。

僕が提案したいのは、新しいマッサージを一つ覚えることではありません。「痛い場所だけで答えを決めない」という、体の見方そのもののアップデートです。足首や股関節を使った簡単なセルフケアも、その考え方を自分の体で確かめるために行います。

目次

腰を揉むことと、繰り返す理由を考えることは別です

家の床が濡れていたら、とりあえず拭きますよね。それは間違っていません。

でも、翌日も同じ場所が濡れている。その次の日も濡れている。これが何週間も続いたら、「何でここばっかり濡れるんやろ?」と考えるはずです。上を調べたら、雨漏りしていた。そうなれば、床を拭くだけでは終われません。

繰り返す腰痛についても、僕はこれに近い見方をしています。

腰を揉んで楽になった。それ自体はいいんです。ただ、何度も同じ場所に痛みや張りが戻るなら、次に考えたいのは「なぜ腰ばかりが頑張っているんやろ?」ということです。

痛みが出ている場所と、負担が集まるまでに関わった場所は、必ずしも同じとは限りません。腰だけに犯人を決めつけず、ほかの関節の動きや、普段の体の使い方にも目を向けてみる。そこから始めたいんですね。

まずはセルフチェックで「体の現在地」を知る

何かを整える前には、現状把握が必要です。仕事でもそうですよね。今どうなっているのかが分からないままでは、何を変えたのかも分かりません。

体も同じです。まず、前に曲げる、後ろに反らす、左右にひねるという動きで、今の状態を確かめてください。痛みが強い方は無理に行わず、どの動きもできる範囲にとどめます。違和感を押し切って動かす必要はありません。

1.前屈して、どこが張るかを確かめる

立てる方は、足を肩幅くらい、または少し広めに開いて、ゆっくり前屈します。手が床につくかどうかは、今回の一番の目的ではありません。

  • 腰が張るのか
  • お尻が突っ張るのか
  • 太ももの裏が張るのか
  • 膝の裏にピキッとした感じがあるのか

こんなふうに、どこに、どんな感覚が出るかを覚えておいてください。僕が最初に確かめたときは、膝裏の少し下あたりに引っかかるような感覚がありました。

足を開いて立ち、両腕を下ろして前屈している姿
床に手が届くかだけでなく、どこに張りを感じるかを確かめます。

2.後ろに反らして、嫌な感じが出る位置を知る

次に、ラジオ体操で行うように、無理のない範囲で体を後ろへ反らします。大きく反る必要はありません。どこまで動けるかと一緒に、どこで張りや嫌な感じが出るのかを確認します。

3.左右に軽くひねり、差を確かめる

最後に、体を右と左へ軽くひねってください。右だけ動きにくい、左のお尻が張る、片側に動かすと怖い感じがする。そうした左右差も、今の体を知る情報です。

可動域だけでなく、張る場所、違和感、動かすときの怖さまで含めて覚えておきましょう。これが、セルフケア後に比べるための「現在地」になります。

腰に触れずに行うセルフケア。まずは足首と股関節から

ここでは、腰を揉まずに二つの動きを行います。目的は「これで必ず腰痛が治る」と証明することではありません。腰以外を動かしたとき、自分の体がどう反応するのかを知ることです。

足首を左右それぞれ10回ほど回す
  1. 椅子に座り、片脚を反対側の太ももに乗せます。
  2. 足を手で支え、足首を無理なく回します。
  3. 10回ほどを目安に行い、反対側も同じように回します。

力任せに回すのではなく、動かせる範囲で結構です。僕はこの日、その前にも足首を動かしていたので、いつもより動かしやすく感じました。同じ人でも、その日の体の状態は違うんですね。

椅子に座り、片脚を反対の太ももに乗せて両手で足を持っている姿
足を支えながら、足首を無理のない範囲で回します。
股関節から、脚の重みで前後に振る
  1. 立って、壁などに手を添えます。
  2. 片脚を、足の付け根である股関節から前後に振ります。
  3. 脚の重みを使って、10回ほどを目安に動かします。
  4. 反対側も同じように行います。

ポイントは、頑張って脚を高く上げることではなく、脚の重みで股関節から振ることです。大きく振ろうとせず、無理のない動きで行ってください。

壁に片手を添えて立ち、片脚を前に出している姿
脚を高く上げるより、股関節から軽く振る感覚を大切にします。

同じ動きで再チェック。「変わらない」も大切な情報です

足首回しと脚振りが終わったら、最初と同じ前屈、後ろに反らす動き、左右へのひねりを、無理のない範囲でもう一度行います。

  • 最初に張っていた場所の感覚はどうか
  • 左右の動かしやすさは変わったか
  • ひねるときの違和感や怖さはどうか
  • 無理に頑張らなくても動ける感じがあるか

僕の場合は、足首と股関節を動かしたあと、前屈で感じていた膝裏のピキッとした感覚が軽くなりました。後ろへ反らす動きや左右のひねりも、最初より動かしやすく感じました。

もともと僕は腰痛があまりないので、これは強い腰痛が治ったという話ではありません。あくまでも、腰を揉まなくても、動きや感覚に変化が出たという、自分の体での確認です。

変化があった場合

足首や股関節を動かすことで腰まわりの感覚が変わったなら、腰以外の動きにも目を向けるきっかけになります。僕は、足首や股関節の硬さが、腰に負担を集める一因になっていないかと考えます。

ただし、その場で動きが変わったことだけで、腰痛の原因が特定できるわけではありません。「腰だけを見なくてもよさそうだ」という手がかりとして受け取ってください。

変化がなかった場合

変わらなかった方も、悲観しなくて大丈夫です。失敗でもなければ、自分の体が悪いという意味でもありません。

今回分かったのは、「この二つの動きでは、今の体に大きな変化が出なかった」ということです。これも立派な情報なんですよ。

僕が施術で見立てるときには、腰以外にも、ふくらはぎ、膝、太ももの裏・前・外側、股関節の動きなどを確認します。さらに細かく見れば、足の指、足の甲、足裏といった場所にも目を向けます。

だからといって、全部を片っ端から刺激すればいいわけではありません。一つ試したら反応を確かめ、変わらなければ別の可能性を考える。そうやって、体から返ってきた情報を積み重ねていくんです。

「腰痛の原因は足首」と、答えを置き換えないでください

ここは、特に間違えてほしくないところです。

僕は「腰痛の原因は足首です」「股関節です」と、新しい犯人を決めたいわけではありません。腰だと思っていた答えを足首に置き換えただけでは、結局、同じことの繰り返しになってしまいます。

足首を動かすと楽になる。でも戻る。また足首だけを触る。それでは、腰だけを揉んでいたときと考え方が変わっていませんよね。

腰が痛いという結果だけを見て、最初から答えを一か所に決めなくていい。僕が伝えたいのは、そこなんです。

腰を揉まれると気持ちいい、リラックスできる。それも大切なことです。ただ、その場の心地よさと、なぜ何度も痛みが戻るのかを考えることは、分けておきたいと思っています。

デスクワークの合間にできる「椅子で4の字」のケア

もう一つ、お尻と太ももまわりを伸ばす、椅子でのセルフケアを紹介します。座って仕事をしていて、腰まわりが気になるときにも取り入れやすい動きです。こちらも無理はしないでください。

  1. 椅子に座り、片方の足首を反対側の太ももに乗せます。脚で数字の「4」を作るイメージです。
  2. 背中を丸めて倒れるのではなく、股関節から上体を前に傾けます。
  3. お尻や太ももの裏に伸びる感覚があれば、その位置で10秒ほどを目安に保ちます。
  4. ゆっくり戻し、反対側も無理のない範囲で行います。

伸びる感じが分かりにくいときは、床についている足を少し前へ出し、姿勢を調整してみてください。深く倒すことより、どこが伸びているのかを確かめることが大切です。

椅子に座って片足首を反対の太ももに乗せ、上体を前に傾けている姿
背中だけを丸めず、股関節から前へ傾けてお尻まわりを伸ばします。

終わったら、もう一度、最初の動きと比べてみましょう。僕はこのケアのあとも、前屈や左右への動きがさらにしやすく感じました。

ここでも、変化を出そうと頑張る必要はありません。変わったなら、どこがどう変わったのか。変わらなかったなら、今回の刺激では大きく反応しなかった。それを確認できれば十分です。

痛い場所だけでなく、「痛くなるまでの流れ」を見る

僕は施術の現場で、腰が痛いと言われたら「腰が痛いんですね」で終わらせないようにしています。痛む場所はもちろん確認します。でも、そこだけで完結することは、ほとんどありません。

例えば、こんなことを確かめます。

  • いつ痛むのか:朝なのか、立っているときか、座っているときか、寝返りのときか。
  • どう動くと気になるのか:前屈、後ろに反らす動き、横に倒す動き、ひねる動きで何が違うか。
  • ほかの部位はどうか:足首や股関節の動き、左右差はどうなっているか。
  • どんな背景があるのか:仕事での体の使い方、呼吸、過去のけがなど。

首の痛みで来られた方にも、似たことがありました。首の動きが悪いだけでなく、肘のあたりにも強く響く感覚があったんです。仕事の内容を聞くと、データ入力をしていたとのことでした。

一生懸命タイピングをして、集中してパソコンに向かっていた。その背景を聞かず、首の筋肉だけをひたすら揉んでいたら、見落とすものがあるわけです。

これは「首の痛みは必ず腕が原因」という話ではありません。痛い場所だけではなく、そこに至るまでの使い方や、体全体の状態を見るという例です。腰痛でも同じように考えたいんですね。

東洋医学の考え方を、体全体を見る視点として足す

僕がよく話す「巡り」も、一か所だけで体を決めないための考え方です。

東洋医学では、腰だけ、膝だけ、肩だけと切り離すのではなく、経絡というつながりから体を捉えます。腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足へと目を向けたり、体の外側や内側のつながりを考えたりするんですね。睡眠や冷え、日々の生活の状態も見ていきます。

僕は、東洋医学でいう気・血・水の考え方に加え、筋肉や関節の動きも含めて、体全体の働きを捉える言葉として「巡り力」を使っています。

イメージとしては、体の中を通る道のどこかで、流れが滞っていないかを探す感じです。腰だけを見つめるのではなく、その手前のどこで動きが止まり、負担が集まっているのかを考えます。

これは、腰痛の原因をすべて「巡り」で断定するための説明ではありません。また、西洋医学と東洋医学を対立させたいわけでもありません。一般的な医学の知識に、体全体を見る視点をプラスして、共存させることが僕の理想です。

「根本改善」は、方法だけでなく考え方から変えたい

僕は15年以上、施術の仕事をしてきて、ずっと疑問に思っていることがあります。

整体やマッサージ、ストレッチの方法はたくさんあります。機器も進歩し、医学も進歩しています。僕自身、膝の十字靱帯のけがで手術を受けた経験がありますが、その当時と今では手術の方法も違います。健康情報も、昔とは比べものにならないほど簡単に手に入ります。

それなのに、体の見方が「腰が痛いから腰」「膝が痛いから膝」「首が痛いから首」で止まっていることがある。そこは、そろそろ変えていかないといけないと思うんです。

「根本改善」と言いながら、「これを5秒やれば治る」と誰にでも同じ答えを当てはめる。その伝え方には、僕は強い違和感があります。体も、痛みが出るまでの背景も、人によって違うからです。

だから、足首回しや脚振りについても、全員に同じ結果を約束することはできません。僕が伝えたいのは、正解の形を暗記することよりも、今の自分の体が、何をするとどう変わるのかを確かめる姿勢です。

これは、ケアを受ける側だけの課題ではありません。むしろ、僕ら施術する側が、先に考え方を変えないといけない。痛いところを楽にするだけでなく、自分の体を理解するための知識も、一緒に伝えていく必要があると思っています。

目指したいのは、自分の体をある程度、自分で整えられること

体について知っている人は、自分の状態を確かめながら、整え方を少しずつ身につけていけます。一方で、何も分からないままだと、「お店に行かないと体は良くならない」と、任せきりになりやすい。僕はそこに、健康知識の差が生まれると感じています。

必要な医療や施術を否定する話ではありません。何でも一人で解決するのではなく、日々の状態を自分でも把握し、ある程度までは自分で整えられる。その領域を広げていきたいんです。

そのために覚えてほしい流れは、シンプルです。

  1. まず確かめる:どの動きで、どこに、どんな感覚が出るかを知る。
  2. 無理のないケアをする:痛い場所だけに決めつけず、ほかの部位の動きにも目を向ける。
  3. もう一度比べる:変わったことも、変わらなかったことも情報として受け取る。

腰を触るな、と言いたいのではありません。腰を触る前に、もっと見るところがあるんじゃないですか。これが僕からの提案です。

ずっと使っていく自分の体ですから、もう少し丁寧に向き合ってほしい。何度も腰痛を繰り返すなら、「また腰が痛い」で終わらせず、「痛みが出るまでに、何が起きていたんやろ?」と考えてみてください。

方法を一つ増やすより先に、見る順番を変える。それが、僕の考える「根本改善」を一歩進める出発点です。

腰痛が良くなったのにまた痛いのはなぜ?繰り返す原因とセルフケア

2026年10月22日

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整体で楽になった。ストレッチをしたら痛みが減った。ところが、翌朝になるとまた腰が痛い。

そんな時、「結局、治ってなかったんやな」と思ってしまいますよね。もっと効くストレッチを探そう、もっと腰を揉もう、別の治療を受けよう。そう考える気持ちはよく分かります。

でも、少し違う角度から考えてみてほしいんです。痛い・痛くないだけで、自分の体を全部判断していませんか?

腰痛がまた出たからといって、良くなった分まで全部なくなったとは限りません。大事なのは、今の体がどうなっていて、何をするとどう反応するのかを知ることです。僕はそれを、体の「現在地」を確認する、と考えています。

目次

「痛みがなくなった」と「体が元の状態に戻った」は同じではない

昨日まで腰が痛かったのに、今日は痛くない。それ自体はうれしいことです。ただ、痛みがなくなった時に、足首や股関節の動きまで確認したでしょうか。

腰の痛みが取れたから、腰だけを見て「もう大丈夫」と判断する。ここで、体のほかの情報を見落としている可能性があります。

僕は施術でも、腰が痛いから腰だけを緩める、という見方はしません。足首の動き、足の甲の硬さ、足指の動かしやすさなども確認します。腰の感覚が変わっていても、ほかの部分の動きにくさは残っているかもしれないからです。

歯が痛かったのに翌日痛まなくなって、「もう歯医者に行かなくてもいいかな」と思うことがありますよね。でも、痛まないことと、問題が解決したことは別です。スポーツでも、肉離れをした選手が復帰した後、再び同じようなけがをすることがあります。症状だけでは、回復の状態を十分に判断できないわけです。

痛みは、車の警告灯のような「ひとつの情報」

車の警告灯がついて、しばらくすると消えたとします。それだけで「車が新品同様になった」とは思わないでしょう。何が起きていたのか、ほかに異常はないのかを確認しますよね。

体の痛みも、状態を知るための情報のひとつとして受け取ってほしいんです。

  • 痛みが減ったことも、今の体の情報。
  • また痛くなったことも、今の体の情報。
  • 動かしやすい、張る、左右で違うという感覚も、今の体の情報。

痛みだけに振り回されるのではなく、その時の体全体を見る。ここがめちゃめちゃ大事です。

痛みへの不安と、少し距離を取る

痛いのは嫌ですし、怖いし、不安にもなります。僕自身、若い頃に交通事故で膝をけがして、手術後に痛みが出るたびに「また悪くなったんかな」と心配していました。

病院で確認しても異常が見つからないことが何度かあり、その中で、痛みに過敏に反応していた自分にも気づきました。そこから、少し引いて自分を見るようにしたんです。

「もう悪化した」とすぐ結論を出すのではなく、「今日は膝が痛いな」「今はこの動きで気になるな」と、まず状態を受け止める。腰痛でも同じです。

痛みに意識を集中し続けると、その感覚がますます気になってしまうこともあります。だからといって、我慢して無視するという話ではありません。不安から決めつけず、観察できるところを落ち着いて確認するということです。

セルフケアの前に、体の「現在地」をチェックする

ここからは、腰を直接触らずに、股関節と足首を動かして体の反応を確かめます。目的は「この体操で腰痛を治す」ことではなく、ケアの前後で自分の感覚がどう変わるかを知ることです。

無理のない範囲で行ってください。痛みを我慢して動かしたり、深く曲げようと頑張ったりする必要はありません。動作で痛みが強くなる場合は中止しましょう。

1. 立って、ゆっくり前屈する
  1. 普段どおりに立ちます。
  2. ゆっくり体を前に倒します。
  3. 無理なく動けるところで、どこに張りや違和感があるかを確認します。
立った状態で上体を前に倒し、両腕を下ろしている姿勢
前屈では深さよりも、どこが張るか、左右で違うかを確かめます。

ここで見てほしいのは、「体が硬いか、柔らかいか」ではありません。床に手が届くかどうかの競争でもないんです。

  • 腰の右側と左側、どちらが張るか。
  • お尻に張りを感じるか。
  • 太ももの裏が張るか。
  • 左右で感覚に違いがあるか。
  • 腰に痛みや違和感があるか。

「右のお尻が張る」「太ももの裏は左右同じぐらい」など、その感覚だけ覚えておけば十分です。

2. 椅子に座って、もう一度立つ

一度椅子に座り、そこからもう一度立ち上がります。安全にできる方は、手で支えずに普段どおり立ってみてください。難しい場合は無理に手を離さなくて大丈夫です。

確認するのは、立ちやすいか、立ちにくいか。腰に力を入れないと立てない感じがあるか、引っかかる感覚があるか、といったことです。

いったん座って立つことで姿勢を取り直し、今の体の感覚を確認します。この最初のチェックが、セルフケア後に比べるための基準になります。

腰を触らずに試す、股関節と足首のセルフケア

1. 椅子で脚を「4の字」にして、お尻の外側を伸ばす
  1. 椅子に座ります。
  2. 片方の足首を、反対側の太ももの上に置き、脚で数字の「4」のような形を作ります。
  3. 背中を丸めて倒れるのではなく、股関節から上体を前に傾けます。
  4. お尻の外側が気持ちよく伸びるところで止めます。
  5. 呼吸を止めず、自然に吸って吐きながら10秒ほど保ちます。
  6. ゆっくり戻し、反対側も同じように行います。
椅子に座って片脚を反対側の太ももに乗せ、両手を腰に当てて上体を前に傾けている姿勢
脚を4の字に組み、股関節から前に傾けます。痛いところまで伸ばさなくて大丈夫です。

大切なのは、痛いところまでやらないこと。強く伸ばすほど良い、というものではありません。

そして、左右の違いも覚えておいてください。僕が試した時は、右側のほうがキュッと伸びる感覚がありました。それをすぐ「悪い」と判断しなくていいんです。「今日は右のほうが張るんやな」という情報として受け取ります。

このストレッチが、腰痛のある人全員にとって正解というわけではありません。この刺激に、今の自分の体がどう反応するかを知るために行っています。

2. 足首を、左右それぞれ両方向に回す
  1. 椅子に座ったまま、片脚を持ち上げ、無理のない位置で支えます。
  2. 足首をゆっくり一方向に5回ほど回します。
  3. 反対方向にも5回ほど回します。
  4. 反対の足も同じように行います。
椅子に座り、片膝を両手で支えて足を床から持ち上げている姿勢
片脚ずつ支えて足首を動かし、左右と回す方向による違いを比べます。

ここでは、回せた回数よりも、動きの違いに注目してください。

  • 右足と左足、どちらが動かしやすいか。
  • 回す方向によって、ぎこちなさが変わるか。
  • 滑らかに回る側と、引っかかるように感じる側があるか。

僕は左足のほうが動かしやすく、右足は回す方向によって苦手な感じがありました。サッカーでも左足で蹴っていたので、普段の使い方との関係を考えるきっかけにもなります。

自分の体なのに、意外と知らないことがあるんですよね。左右を比べるだけでも、新しい発見になります。ただし、動きにくさが見つかっただけで、そこが腰痛の原因だと確定するわけではありません。体を見るための手がかりです。

3. 最初と同じ動きで、もう一度確認する

股関節と足首を動かしたら、立ち上がり、最初と同じようにゆっくり前屈してみてください。立ち上がりやすさも比べます。

僕の場合は、最初より張りが減り、前屈が少し楽になりました。腰そのものには触れていません。それでも、腰まわりの感覚が変わったんです。

もし同じような変化があれば、今の体は、腰だけでなく股関節や足首も含めて見たほうがよい可能性があります。これは、体から返ってきた反応です。

変わった時も、変わらなかった時も、体は情報を返している

セルフケアをして楽になる人もいれば、あまり変わらない人もいます。変化がなかったからといって、失敗ではありません。

分かったのは、「今回の股関節と足首への刺激では、大きな変化が出なかった」ということです。それも次を考えるための情報なんです。

僕も施術では、ひとつの刺激に対してどう反応したかを見ています。変化が出たのか、出なかったのか。その反応を受けて、次の施術を組み立てます。

セルフケアも同じです。

  1. 確認する:今の張り、左右差、動きやすさを知る。
  2. 無理なく試す:ひとつのケアを行う。
  3. 比べる:最初と同じ動きで反応を確認する。
  4. 次を考える:変化に応じて、見る場所や方法を見直す。

効果が出ないから、もっと強く伸ばす、もっと揉む、という方向に進む必要はありません。別のところを見る必要があるかもしれない、ということです。

今回なら股関節と足首ですが、太ももの裏、側面、前側、骨盤の傾きなど、確認する場所はほかにもあります。腰だけを揉んで一時的に楽になっても繰り返す場合には、見方を広げることが大切です。

なぜ腰以外を見るのか。体は全部つながって動いている

腰だけで立っている人はいませんよね。足裏、足首、膝、股関節、骨盤、腰、上半身。全部が連動して、立つ、歩く、座る、立ち上がるという動きを作っています。

足首が動きにくければ、その分を膝や股関節が補うことがあります。こうした補いの動きを、代償運動といいます。股関節の動きにくさが、ほかの部分の負担と関係することもあるわけです。

だから僕は、痛い場所と原因の場所を、最初からイコールにはしません。

痛い場所を「本丸」とするなら、その周りの「外堀」も見る。僕が「外堀・本丸の法則」と呼んでいる考え方です。腰が痛いなら、近くの関節や筋肉、上半身と下半身の状態にも目を向けます。

東洋医学では、経絡という視点でもつながりを見る

僕は関節や筋肉だけでなく、東洋医学の「経絡」という考え方も、体を見る際の視点にしています。

東洋医学では、腰からお尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足へと続くつながりを、膀胱経として捉えます。体の外側には胆経、内側には腎経・肝経・脾経などの経絡を考えます。これは東洋医学の枠組みで体を捉える見方です。

僕が大切にしているのは、腰痛だから腰だけで完結させないこと。足指、足の甲、足首を確認し、反応に応じてふくらはぎ、すね、膝裏、太ももの各面、股関節へと見る範囲を広げていきます。

すべてを一度にケアするという話ではありません。その人の体の反応を確かめながら、ひとつずつ選んでいくんです。

また痛くなった日は、「昨日と何が違う?」と考える

施術後に痛みが減ったのに、翌日また腰が痛い。そんな時も、「全部元に戻った」と決めつけなくて大丈夫です。

体は毎日、まったく同じ状態ではありません。

  • 昨日より座っている時間が長かった。
  • 睡眠の状態が違った。
  • 足に疲れが残っていた。
  • 歩き方や体の使い方が、いつもと違った。
  • 靴を変えた。

こうした条件の違いを、一度振り返ってみてほしいんです。

以前、肩が最近痛くなったという方に、普段と違うことがなかったか聞いていくと、旅行でスーツケースを使った話が出てきました。本人も、最初はそのことを忘れていたんですね。

もちろん、スーツケースが原因だったと断定はできません。でも、「いつもと違う体の使い方をしていたかもしれない」と考える材料にはなります。

忙しい毎日の中では、自分の行動と体の変化を結びつけにくいものです。だからこそ、「また直さなきゃ」だけでなく、「今日は昨日と何が違うんだろう?」という視点を持つことに意味があります。

自分では普通だと思っている姿勢にも、気づきにくい癖がある

毎日使っている体だからこそ、自分の癖は分かりにくいんです。右側に体重をかけて立っていても、本人にとってはそれが「普通」になっています。

施術の時、まっすぐ立ってもらって鏡で一緒に確認すると、体が傾いていることがあります。「傾いていますよ」と伝えても、ご本人は「そうですか?」という反応だったりします。写真で確認して、初めて気づくこともあります。

これは僕自身も同じです。自分では普通に座っているつもりでも、傾いているかもしれない。人に見てもらわないと分からないことがあります。

ですから、施術を受ける場所は、痛みを減らすためだけでなく、自分では気づきにくい体の使い方を知る場所としても使えると思っています。

僕自身も、膝と肩を別々に見ないきっかけがあった

僕には、膝の手術後に腕が上がりにくくなった経験があります。肩そのものが動かないというより、皮膚が突っ張るような感覚でした。

その時に受けた整体では、膝の手術痕による皮膚の引っ張りとの関係を指摘され、背中などの皮膚に触れる施術を受けました。これはその時の施術者の見立てであって、同じ症状の人すべてに当てはまる説明ではありません。

ただ、僕にとっては「腕が上がらないから肩だけを見るとは限らない」と、自分の体を知るきっかけになりました。今でも、局所だけで決めつけずに考える時の経験として役立っています。

腰痛でも、人によって見るべき場所は違います。今回の股関節や足首が手がかりになる人もいれば、太ももの裏や側面など、別の部分を見る必要がある人もいるんです。

施術の時間より、日常の時間のほうがずっと長い

仮に、週に1回、1時間の施術を受けるとします。1週間は168時間ですから、施術者が関われるのはそのうちの1時間。残りの167時間は、その人の日常です。

その時間にどう体を使うか、何に気づくか、どうケアするか。ここを抜きにして、施術だけで終わらせたくないんですよね。

僕が目指しているのは、今ある痛みを軽くすることに加えて、10年後、20年後も、自分の好きなことができる体づくりです。長く元気に動いてほしい。そのために、自宅で行えるセルフケアと、その後の反応を確かめることを大切にしています。

セルフケアを試して、その反応を共有し、また見直す。この繰り返しが、自分の体を理解することにつながります。

正解を探すより、自分の体の「取扱説明書」を作る

腰痛改善ストレッチ、坐骨神経痛のセルフケア、ツボ押し。方法はいろいろあります。僕も方法をお伝えしますが、一番知ってほしいのは、方法そのものだけではありません。

自分の体が、何に反応するのか。そこなんです。

僕が施術経験から良いと考えて紹介したケアでも、あなたに合うかもしれないし、合わないかもしれません。楽になったなら、その反応を覚える。変わらなかったなら、次の見方を考える。

「これをすれば必ず治る」という攻略本を探すのではなく、少しずつ自分の体の取扱説明書を作っていく。そんな感覚です。

自分で分かることが増えれば、必要な時に専門家と一緒に答え合わせもしやすくなります。何もかも人任せにするのではなく、自分の体に関わる力を育ててほしいと思っています。

体の優先順位を上げる。ただし、受診の判断は別に考える

セルフケアを続けることは、ダイエットの運動や食事の見直しと少し似ています。やり方を知っているだけでは続かない。生活の中で、自分の体の優先順位を上げる必要があります。

「ちょっと我慢したら取れるやろ」「痛くても歩けばええやろ」と、いつも後回しにしてしまう。そうではなく、張りや動きにくさに気づいた時に、無理なく確認する時間を持ってほしいんです。

一方で、体を観察することと、病気を自分で診断することは別です。僕自身、腹膜炎になった時には、体の内側を強くつかまれるような痛みを経験しました。ただ、痛みの強さや冷や汗の有無だけで、内臓の問題や受診の必要性を見分けることはできません。

強い痛みや普段と違う痛みがある時、不安がある時、症状が続いたり悪くなったりする時は、セルフケアだけで判断せず医療機関に相談してください。自分の体を知ることは、必要な医療を避けるためではありません。

繰り返す腰痛は、体の見方を広げるきっかけにする

最後に覚えておいてほしいのは、この3つです。

  • また腰が痛くなったからといって、全部元に戻ったとは限らない。
  • 痛い・痛くないだけで、体全体の状態を判断しない。
  • セルフケアの前後で、張り、左右差、動きやすさを比べる。

股関節を動かしたらどうだったか。足首は左右でどう違ったか。その後、前屈や立ち上がりは変わったか。変わっても、変わらなくても、それが今の体から返ってきた情報です。

痛みが出た時に「また悪くなった」と落ち込むだけでなく、「今の体は昨日とどう違うんやろ」と見る。そうすると、痛みをただの悪者ではなく、体からのサインとして受け取れるようになります。

正解をひとつ覚えることより、自分の体を知ること。その積み重ねを、長く動ける体づくりにつなげていきましょう。

こちらのブログも参考にしてください

腰痛

 

 

【腰痛が良くなったのにまた痛い】なぜ繰り返す?「体の現在地」から考える腰痛の原因

2026年09月24日

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整体を受けて楽になった。ストレッチをしたら痛みが引いた。ところが翌朝、また腰が痛い。「結局、治ってなかったんかな」と不安になりますよね。

でも、また痛くなったことと、体がすべて元に戻ったことは同じではありません。反対に、痛みが消えたからといって、体の動きまで以前と同じ状態に戻ったとも限りません。繰り返す腰痛を考えるときは、痛いか痛くないかだけでなく、今の体がどう動き、何に反応するかを見ていくことが大切です。

目次

痛みは体から届く情報の一つ

痛みは、車の警告灯に少し似ています。警告灯が消えても、車の状態が新品同様になったとは判断しませんよね。なぜ点いたのか、その後どう走るのかも気になるはずです。

体も同じです。痛みが減ったことも、再び痛みが出たことも、それぞれ一つの情報。もちろん痛いと怖いし、不安になるのは自然です。ただ、そこで「全部悪化した」とすぐに決めるより、「今日はどんな動きがしにくいだろう」と一歩引いて確かめてみてほしいんです。

たとえば腰の痛みがなくなったとき、足首や股関節の動きまで確認したでしょうか。施術では腰だけでなく、足首、足の甲、足指の硬さを見ることもあります。痛みのある場所だけでは分からないことがあるからです。

まずはセルフケア前の「現在地」を知る

ここからは、腰痛に効く運動を一つ決め打ちするためではなく、運動の前後で体の反応を比べるためのチェックです。無理のない範囲で行ってください。

  1. 自然に立ち、ゆっくり体を前に倒します。深く曲げようと頑張る必要はありません。
  2. 腰の右側と左側、お尻、太ももの裏など、どこに張りや痛みを感じるかを覚えておきます。
  3. いったん椅子に座り、手を使わず普段どおりに立ってみます。立ちやすさも確認します。

前屈で見たいのは「硬いか、柔らかいか」という成績ではありません。右だけ張るのか、左右差があるのか、どの場所に違和感があるのか。その感覚が今日の体の現在地です。

立った状態で上体を前に倒し、両手を膝の前に下ろしている
前屈の深さより、張る場所や左右差を覚えておきます。
腰に触れずに、股関節と足首を動かす
椅子に座ってお尻の外側を伸ばす
  1. 椅子に座り、片方の足首を反対側の太ももに乗せます。脚で数字の「4」を作る形です。
  2. 背中を丸めるのではなく、股関節から上体をゆっくり前に倒します。
  3. お尻の外側が気持ちよく伸びるところで止め、呼吸を続けながら約10秒保ちます。
  4. 元に戻し、反対側も同じように行います。

痛いところまで無理に倒さなくて大丈夫です。「右のほうが伸びる」「左はあまり張らない」といった違いも覚えておいてください。

椅子に座って片足首を反対の太ももに乗せ、上体を前に倒している
脚を4の字にしたら、股関節から前に倒してお尻の外側の感覚を確かめます。
左右の足首をゆっくり回す

次は片足ずつ、足首をゆっくり回します。右回しと左回しをそれぞれ5回ほど。反対の足も行い、左右や回す方向による動かしやすさを比べてみてください。

僕の場合、左足のほうが動かしやすく、右足には回しにくい方向があります。こういう発見も大事なんです。うまく回せないことを失敗と考えず、今の体について分かったこととして受け取ります。

椅子に座った男性が片膝を抱え、足を浮かせて足首を動かしている
足首は片足ずつ動かし、左右と回す方向の違いを比べます。
もう一度、同じ動きで確かめる

股関節と足首を動かしたら、最初と同じように立って前屈し、椅子からの立ちやすさも比べます。僕はこのチェックで、最初より前屈時の張りが少なくなりました。腰には触れていません。

もちろん、全員に同じ変化が出るわけではありません。変化があれば「股関節や足首を動かした後、腰まわりの感覚が変わった」という情報。変わらなければ「今回はその刺激だけでは大きく変わらなかった」という情報です。変わらなかったことも、次にどこを見るかを考える手がかりになります。

なぜ腰以外を見るのか

腰だけで立ったり歩いたりする人はいません。足裏、足首、膝、股関節、骨盤、上半身は、動くときに連動しています。ある部分が動きにくければ、別の部分がその動きを補うこともあります。だから僕は、痛い場所が必ずしも原因の場所とは限らないと考えています。

今回見たのは股関節と足首ですが、それで全部分かるわけではありません。太ももの裏、前、外側、骨盤の傾きなど、確認したい場所はほかにもあります。腰を揉む、腰を伸ばすという方法だけを繰り返す前に、周りの動きにも目を向けたいんです。

東洋医学の見方でも、腰だけを切り離して考えません。たとえば膀胱経は、腰からお尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足へと続く経絡として捉えます。体の外側や内側にも別の経絡があります。関節や筋肉の動きに加えて、こうした体のつながりも施術やセルフケアを考える際の視点にしています。

翌日の痛みを「振り出しに戻った」と決めない

施術の後に楽になっても、翌日は座っている時間が長かったかもしれません。睡眠や疲れ方、足の使い方が違ったかもしれません。体は毎日まったく同じ条件ではないんです。

肩の痛みについて話を聞いているうちに、「そういえば旅行でスーツケースを持った」と気づいた方もいました。それが原因だと断定はできません。でも、普段と違う行動を思い出すことで、体を見直す手がかりは増えます。靴を変えた、歩き方が違ったという変化にも、同じように目を向けられます。

痛みがぶり返したときは、「また一から治さなきゃ」だけで終わらせず、次のことを確かめてみてください。

  • 昨日と比べて、座る時間や歩く量は違ったか
  • 睡眠や疲労の状態はどうか
  • 前屈で張る場所や左右差は変わったか
  • 立ち上がりや足首の動きに違いはあるか
「正解のセルフケア探し」から、自分の体を知る習慣へ

セルフケアは、紹介された方法を全員が同じように行えば必ず良くなる、というものではありません。僕が伝えたいのは方法そのもの以上に、自分の体が何に反応するかを見ることです。

施術で体に関われるのは、生活の中の限られた時間です。それ以外の時間を過ごす本人が、変化に気づき、無理なくケアを続け、反応を振り返る。その積み重ねが大切だと思っています。痛いときだけ体を気にするのではなく、普段から体の優先順位を少し上げてほしいんです。

自分の姿勢の癖は、案外自分では分かりません。まっすぐ立っているつもりでも、鏡で見ると体が傾いていて驚くことがあります。そうした気づきも含めて、自分なりの「体の取り扱い説明書」を少しずつ作っていく感覚です。

ただし、セルフチェックで痛みの原因を確定することはできません。強い痛みやいつもと違う症状があるとき、不安が続くときは、自己判断だけで済ませず医療機関に相談してください。

腰痛がまた出たとしても、それだけで全部元に戻ったわけではありません。まず今の体を確かめる。無理のない刺激を加える。そして、もう一度比べる。痛みをただ怖がるのでも、我慢するのでもなく、体からのサインとして読み取るところから始めてみてください。

動画でも詳しく解説しています

こちらの記事をご覧になって下さい。

腰痛

 

【朝起きると腰が固まる】寝ても治らない腰痛の原因とは?睡眠中の緊張とセルフケア

2026年09月8日

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しっかり寝ているはずなのに、朝起きた瞬間から腰が痛い。背中までガチガチで、布団の中で少し体を動かしてからでないと起きられない。7時間、8時間寝ても疲れが取れない。

こういう慢性腰痛の悩み、ほんまに多いです。

腰が痛いから腰を揉む。ストレッチをする。湿布を貼る。もちろん、その瞬間は楽になることもあります。でも翌朝にはまた硬い、また痛い。それなら、腰そのものだけを見続けることが答えなのか、一度考えてみてほしいんです。

目次

朝だけ腰が痛いのは、寝ている間に回復しきれていないサインかもしれない

朝起きた時だけ腰が痛いのに、歯を磨いて顔を洗い、動き始めたら気づけば痛みが軽くなっている。そんなパターンはありませんか。

寝ている間に重たいものを持ったわけでも、腰を無理な姿勢で動かしたわけでもない。それなのに朝が一番つらい。ここには、睡眠時間だけでは測れない回復の問題が隠れていることがあります。

寝ること自体は、もちろん大事です。睡眠を削ればいいという話ではありません。しっかり睡眠時間を確保することは前提です。

ただ、布団に7時間入っていたからといって、全員が同じように回復できるわけではないんですよ。ゲームみたいに宿で一晩寝たら体力が100%回復、というほど人間の体は単純ではありません。

見るべきなのは「何時間寝たか」だけではなく、朝起きた時に体がどうなっているかです。

  • 朝から体が重い
  • 腰や背中がガチガチに固まっている
  • 起きた瞬間からだるい
  • 眠ったのに眠気が残る
  • 朝一番の一歩目がつらい

このあたりが当てはまるなら、体は寝ている最中も十分に休めていない可能性があります。

肩を上げて噛みしめると、呼吸は浅くなる

まず、今その場で簡単に比べてみてください。

  1. 肩の力をストンと抜きます。
  2. そのまま自然に2回から3回、呼吸します。
  3. 次に肩をギュッと上げ、お腹にも力を入れます。
  4. さらに歯を食いしばったまま呼吸してみます。

後者のほうが、明らかに息が入りにくいはずです。

肩が上がり、歯を食いしばり、お腹まで固めている。これは体が力んでいる状態です。力みが強いほど呼吸は浅くなりやすく、呼吸が浅くなるほど首、肩、背中、腰にも余計な力が入ります。

この状態が日中だけで終わればまだいいんですが、寝ている間にも続いている人がいます。寝ているのに歯ぎしりをする、食いしばる、体にグッと力が入る。自律神経の緊張が続いていると、眠っていても本当の意味で脱力できません。

だから、寝ても疲れが取れない。腰の痛みも戻りやすい。腰だけではなく、首や頭までしんどくなることもあるんです。

これは悪い反応ではなく、体を守るための防御反応

ここは勘違いしてほしくないんですが、緊張や力みは、体がサボっているわけでも悪さをしているわけでもありません。むしろ自分を守るための防御反応です。

例えば、後ろで突然大きな音がしたら、体は一瞬でビクッとなりますよね。肩がすくみ、身構える。その反応があるから、とっさに自分を守れるわけです。

昔なら猛獣や毒ヘビなど、生きるために警戒しないといけない対象がありました。今はそういうものに襲われることは少なくても、現代には別のストレスがあります。

  • 上司や先輩との人間関係
  • 仕事量や締め切りへのプレッシャー
  • 遅刻できない、失敗できないという緊張
  • 家庭の悩みや考えごと
  • スマホから入ってくる情報の多さ

マンモスの代わりに、仕事や人間関係が体を緊張させているようなものです。

特に、日中の緊張を家まで持ち帰ってしまう人は多いです。翌朝早いから絶対に起きないといけないと思うと、目覚ましより早く目が覚める。反対に、「早く寝なあかん」と思うほど寝られなくなる。これも無意識の緊張ですよね。

夜になってもスイッチが切り替わらなければ、体は守るモードのままです。その状態で眠っても、腰や背中が固まり、朝のだるさや腰痛につながりやすくなります。

腰が硬いことは原因ではなく、結果かもしれない

腰が痛いと、腰だけを伸ばしたくなります。腰が硬いと、腰を揉みたくなります。それ自体を否定するつもりはありません。ストレッチもマッサージも、その場で気持ちよくなることはあります。

でも、毎日ストレッチしているのに翌日また腰が痛い。施術を受けても次の日には元通り。湿布を貼っても繰り返す。

その場合、腰の硬さだけが本当の原因ではない可能性を考えたほうがいいです。

腰は結果として頑張らされている場所かもしれません。

体は足先、足首、膝、股関節、骨盤、腰というふうに、全部がつながって動きます。どこかの関節が十分に動かない、あるいは使えていないと、そのぶん別の場所がカバーします。これが代償運動です。

膝が動きにくければ足首や腰に負担が逃げることがありますし、股関節がうまく使えていなければ腰が頑張りすぎることがあります。

だから、痛い場所だけを見続けるのではなく、腰を硬くしている要因は何かを体全体から考える必要があります。腰だけをずっと緩めても戻るなら、犯人は腰以外にいるかもしれません。

睡眠の質は、布団に入る前から始まっている

寝る直前まで仕事のことを考える。家族のことを悩む。反省会を延々とする。スマホを見続ける。歯を食いしばったまま眠りに入る。

これでは、7時間や8時間の睡眠時間を確保しても、体が回復モードに入りにくくなります。

心と体は別々ではありません。頭の中でずっと問題を抱えたままなら、体もその緊張を受け取ります。眠るためには、眠るための入り方が必要です。

東洋医学の考え方でも、昼は活動し、夜は休むという切り替えが大切にされています。腰と関連づけて考えられる「腎」は、疲れ、冷え、眠りといったテーマにも関わるとされます。

また、時間帯ごとに体の回復を捉える「子午流注」という考え方もあります。これは東洋医学の見方の一つですが、少なくとも夜にしっかり休むこと、深く眠れる状態をつくることが大事だという点は変わりません。

スマホの充電も、コンセントにつないだだけで必ず満タンになるとは限りません。充電器や接続に問題があれば、時間だけかけても充電できない。体も同じで、布団に入っただけで100%回復とは限らないんです。

寝る前にやってほしい、腰痛と睡眠の質のためのセルフケア

腰痛がなかなか良くならず、寝ても回復した感じがしない人は、まず今日から寝る前の緊張を落とすことを始めてください。難しいことは要りません。

1. 吐く息を長くする呼吸を5回から10回

布団に仰向けになったら、吸うことよりも長く吐くことに意識を向けます。

目安としては、4秒で吸って、2秒止めて、6秒で吐く方法でもいいです。ただ、秒数をきっちり数えられなくても大丈夫。吸うことは頑張らず、とにかく吐く息をゆっくり長くしてください。

これを5回から10回ほど繰り返します。肩を落とし、顎や歯の力も抜いていきましょう。

さらにおすすめなのが、吐く呼吸に合わせて、その日にあった良かったことを3つ思い出すことです。

  • 今日これができた
  • あの人に助けてもらえた
  • ご飯がおいしかった

寝る前に失敗や反省を掘り返すと、後味が悪いまま体が緊張します。反省は起きている時間にやればいい。目を閉じたら、今日の良かったことを思い出しながら、ゆっくり吐く。これだけでも睡眠への入り方が変わります。

2. 内くるぶしとアキレス腱の間にある太渓を刺激する

次は、内くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみ付近の太渓です。東洋医学では腎経に属するとされるツボです。

痛気持ちいい程度でそのあたりを押さえ、上下に小さく動かします。左右それぞれ10回を目安にしてください。

床に座った男性が両足を前に出して足首周辺を手で押さえている
内くるぶしとアキレス腱の間を、痛気持ちいい強さでやさしく刺激します。

強く押し込んで我慢する必要はありません。最後に血の巡りを促すイメージで、心地よい強さにとどめましょう。

3. 仰向けで足首をゆっくり動かす

太渓を刺激したあと、仰向けのまま足首をゆっくり動かします。つま先を自分のほうへ向けたり、遠くへ伸ばしたりするだけで大丈夫です。

足首や股関節など、腰以外の動きにも目を向ける。寝る前に体を少し動かして、緊張をほどいて眠りに入りやすくする。これが大事なんです。

腰痛を睡眠だけ、ストレスだけで決めつけない

腰痛には、筋肉、関節、神経、日常の動き方、生活習慣、ストレスなど、いろんな要素が関わります。だから「ストレスですね」「頑張りすぎですね」と言われただけでは、なかなか対策につながりません。

大事なのは、もう一段深く自分の体を見ていくことです。

朝だけ腰が痛いなら、前日から寝るまでを振り返る。スマホを見ながら寝落ちしていないか。仕事のことを考え続けていないか。肩が上がり、歯を食いしばっていないか。眠っている時間ではなく、眠りに入る時に体が休める状態になっているか。

腰が痛いから腰だけ、ではありません。

腰を硬くしているものは何か。体がずっと守ろうとしていないか。呼吸が浅くなっていないか。全身の巡りが落ちていないか。

そこに気づけるだけでも、体との付き合い方は変わってきます。今夜はまず、深く長く吐く呼吸から始めてみてください。

よくある質問

寝ても腰痛が治らないのはなぜですか?

睡眠時間が足りていても、体が緊張したまま眠っていると回復しきれないことがあります。肩の力み、食いしばり、浅い呼吸、考えごとやストレスが続く状態は、腰や背中を固める一因として考えられます。

朝起きた時だけ腰が痛いのはどうしてですか?

朝の腰痛は、寝ている間に体が十分に脱力できず、腰や背中の緊張が残っている場合があります。起きて少し動くと軽くなるなら、睡眠中の体の状態や朝の動き始めも見直すポイントです。

腰痛には腰のストレッチだけで十分ですか?

その場で楽になることはあっても、翌日に何度も痛みが戻るなら腰だけが原因とは限りません。足首、膝、股関節、骨盤などの動きや、呼吸と全身の緊張にも目を向けることが大切です。

寝る前にできる簡単な対策はありますか?

仰向けで、吸うことより吐くことを長く意識した呼吸を5回から10回行ってください。その日にあった良かったことを思い出しながら行うと、考えごとから切り替えやすくなります。内くるぶし周辺を心地よく刺激し、足首をゆっくり動かすのもおすすめです。

 

詳しくは動画でも解説しています。1度ご覧になって下さい。

何をやってもスッキリしない腰痛でお悩みの方はこちらの方もチェックして下さい

腰痛

腰痛が治らないのはストレスが原因?腰が固まる理由とセルフケアを解説

2026年09月8日

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ストレッチもしている。マッサージにも行っている。姿勢にも気をつけている。それでも、しばらくするとまた腰が固くなって痛くなる。

こういう慢性腰痛の方は、実際かなり多いです。腰痛には筋肉、関節、神経などいろいろな要因がありますが、腰そのものだけを見ても説明しきれないケースもあります。

特に、仕事が忙しくなると腰が痛い、人間関係で疲れると腰が重い、ずっと我慢している、寝ても体の力が抜けない。こういう傾向があるなら、ストレスによる体の緊張にも目を向けてみてください。

目次

腰痛が繰り返すとき、腰以外に見てほしいこと

病院で湿布をもらっても変わらない。注射やリハビリをしてもすぐ戻る。整体やマッサージを受けた直後は楽でも、また痛くなる。

もちろん、こうした腰痛がすべてストレスで説明できるわけではありません。筋肉や関節、神経の問題があることもありますし、内臓の疾患が隠れている場合もあります。

ただ、検査で大きな異常が見つからないのに痛みが長引く場合や、施術後に一度は軽くなるのにまた戻る場合は、腰だけを揉み続けるよりも、次のような部分を含めて体全体を見ることが大切です。

  • 睡眠が足りているか
  • 呼吸が浅くなっていないか
  • 肩やお腹に無意識の力が入っていないか
  • 仕事、人間関係、将来、お金などへの不安が続いていないか
  • 痛くても休まず、ずっと頑張り続けていないか

腰は体の土台です。そこだけを単独で見るのではなく、体がなぜ緊張し続けているのかを見る必要があります。

ストレスで体が「守りモード」に入る

ストレスというと、頭の中の問題だと思われがちです。でも実際には、ストレスは体の緊張として出ることがあります。

大きな音が突然鳴れば、誰でも一瞬「ビクッ」と身構えますよね。これは体が自分を守ろうとする、ごく自然な防御反応です。

昔であれば、外敵に備えるためにすぐ身構えることは生き残るために必要だったはずです。今はマンモスや猛獣に追われることはありませんが、仕事のプレッシャー、人間関係、家族の心配、経済的な不安などを、体は危険に近いものとして受け取ってしまうことがあります。

その結果、体はずっと守りモードのままになります。これは体が困らせようとしているのではなく、守ろうとしている反応です。

肩、呼吸、お腹、食いしばり。緊張は腰までつながる

一度、椅子に座ったままで試してみてください。

  1. 肩をグッとすくめる
  2. お腹にも力を入れる
  3. 奥歯を食いしばる
  4. その状態のまま息を吸う

かなり息が吸いにくく、呼吸が浅くなるはずです。次に肩を下ろし、お腹をゆるめて、ゆっくり息を吸って吐いてみてください。呼吸の入り方も、体の楽さも全然違うと思います。

肩を上げて体を緊張させた状態で座る男性
肩をすくめ、お腹まで固めると、呼吸は浅くなりやすくなります。

ストレスが強い方には、主に次の3つが出やすいです。

  • 肩が上がる
  • お腹に力が入り続ける
  • 奥歯を食いしばる

寝ている間の食いしばりが強く、マウスピースがすぐ割れてしまうような方もいます。そういう方は顎だけでなく、お腹も背中も固くなっていることが多いです。

背中がずっと固まれば、その土台である腰だけが柔らかいはずはありません。背中、お腹、骨盤まわりの緊張が続いた結果として、腰にも力が入り、慢性的な痛みにつながることがあります。

「力を抜いて」と言われても、抜き方がわからない理由

スポーツや施術の場面で「力を抜いてください」と言われることがあります。でも、ずっと緊張が続いている方にとっては、何をどうすれば力が抜けるのかわからないことも珍しくありません。

そもそも、誰も「今から腰に力を入れよう」と考えているわけではないんです。無意識のうちに体が反応して、勝手に腰や背中を固めている。

だからまず大事なのは、自分の腰痛に体の緊張が関係しているかもしれないと気づくことです。

「何をしても治らない」と諦めていた痛みに対しても、体が常に危険信号を出しているのかもしれない、と理解できるだけで、余計な緊張をゆるめる入口になります。

危険ではないのに「危険かもしれない」と体が思い込んでいると、腰や背中は休みなく固まり続けます。腰が硬いから痛いというより、守る必要がない場面でも守り続けていることが問題になっている場合があるんです。

頑張り屋さん、我慢する人ほど腰痛が長引きやすい

腰痛を繰り返す方には、頑張り続けるタイプが多いと感じます。

  • 「これぐらいなら大丈夫」と無理をする
  • 「自分がやったほうが早い」と抱え込む
  • 人に迷惑をかけたくない
  • しんどくても休めない
  • 体が楽になったら、すぐ以前と同じように頑張ってしまう

ここは誤解しないでほしいのですが、「我慢する人は必ず腰痛になる」という話ではありません。

僕が見ているのは、我慢する癖がある人ほど、体の力を抜きにくいということです。頭ではストレスを感じていないつもりでも、肩はガチガチで、呼吸は浅く、お腹が固まっている。そんなことは本当によくあります。

痛みが軽くなったからといって、痛みを超えるような動きをすぐ再開しないことも大切です。回復の途中でまた頑張りすぎれば、同じ緊張のパターンに戻ってしまいます。

東洋医学で考える感情と腰の関係

東洋医学では、感情の偏りも含めて体全体のバランスを見ます。怒りやストレス、考えすぎ、悲しみ、恐れや不安といった感情は、体の巡りや緊張と関係するものとして考えられています。

とくに、恐れや不安は「腎」と関係が深く、腰にも影響しやすいとされます。ここでいう腎は、西洋医学でいう腎臓そのものだけを指す言葉ではありません。生命力、成長、老化、水分代謝などを含めた、より広い概念です。

仕事が心配、家族が心配、お金が心配。こうした不安が長く続くと、腰まわりだけでなく、体全体の巡りや緊張状態にも影響が出やすくなります。

「感情が腰に残る」と聞くと、感情が物質として腰に溜まるように感じるかもしれませんが、そういう意味ではありません。感情によって体の反応や使い方が変わり、それが続くということです。

たとえば強く怖い思いをした瞬間、人は息を止め、肩をすくめ、体を固めます。出来事が終わっても、似たような状況になると体がその姿勢や緊張を思い出して反応することがあります。頭では「昔のこと」と思っていても、体には防御反応が残っている場合があるんです。

腰痛をストレスだけで決めつけないこと

ここは非常に大事です。腰痛イコールストレスではありません。

神経、関節、筋肉の問題もありますし、病気が隠れている可能性もあります。次のような場合は、自己判断せず医療機関で相談してください。

  • 強い痛みが長く続いている
  • しびれが強い、または続いている
  • 筋力が落ちている
  • 発熱などを伴う
  • 日常生活に大きな支障が出ている

必要な検査を受けることは大切です。そのうえで、検査では大きな問題が見つからない、治療すると一時的には楽になるのにすぐ戻るという場合は、ストレス、睡眠、呼吸、全身の緊張という視点を一つ加えてみてください。

手術を勧められた場合も、手術そのものだけを考えるのではなく、その後のリハビリや日常復帰まで含めて考える必要があります。手術をすれば終わりではなく、回復までの取り組みも大きなポイントになります。

腰を揉まないセルフケアは深呼吸から

今回、まずやってほしいセルフケアはシンプルです。寝る前に深呼吸を10回ほどすることです。

無理に体を変えようとせず、肩を下ろして、お腹をゆるめ、ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。これだけでも、体が守りモードから少し離れやすくなります。

寝つきが悪い、寝ていても体が休まらないという方にも、まず取り入れやすい方法です。

足の甲にある太衝を押す

もう一つのセルフケアは、足の甲にある太衝というツボです。親指と人差し指の骨が交わるあたりにあります。

足の甲の親指と人差し指の骨の間を指で押す様子
足の甲の太衝をやさしく刺激し、緊張をゆるめるきっかけにします。

痛すぎるほど強く押し込む必要はありません。気持ちよく感じる程度に刺激してみてください。東洋医学では肝に関係するツボとされ、緊張やストレスをやわらげるための一つの方法として使われます。

施術でも腰だけを見るのではなく、お尻、太もも、足首など、腰とつながる場所を確認します。なかなか治らない腰痛ほど、腰だけの問題として終わらせないことが大切です。

我慢できる腰痛を放置しない

腰痛は我慢できてしまうことがあります。動けるし、走れるし、仕事もできるから大丈夫。そんなふうにやり過ごしてしまうことも多いです。

でも、虫歯が少し痛むのに放置して、気づいたら大きな治療が必要になるのと同じで、腰痛も蓄積を軽く見ないほうがいいです。

我慢が10年、20年と重なれば、ぎっくり腰を繰り返したり、足のしびれが出たり、より大きな問題につながったりすることもあります。

過保護になりすぎる必要はありません。ただし、マッサージを受けても何度も戻る腰痛は、同じ場所に同じアプローチを繰り返すだけでは変わらないことがあります。

ストレス、不安、我慢が続くと、呼吸が浅くなり、お腹と背中が固まり、その結果として腰も固まる。まずはこのつながりを知ってください。体は無理やり変えるものではありません。整う条件をつくっていけば、体はちゃんと変わり始めます。

よくある質問

ストレスだけで腰痛になることはありますか?

腰痛の原因をストレスだけで決めつけることはできません。ただし、ストレスや不安が続くことで呼吸が浅くなり、肩、お腹、背中、腰に無意識の緊張が続き、痛みが長引いたり繰り返したりすることはあります。

ストレッチやマッサージをしても腰痛が戻るのはなぜですか?

筋肉を一時的にゆるめても、仕事の負担、睡眠不足、食いしばり、浅い呼吸、我慢する習慣などによって体が再び守りモードに入ると、腰もまた固まりやすくなります。腰だけでなく、全身の緊張状態を見ることが大切です。

寝る前の深呼吸はどのくらいやればいいですか?

まずは10回ほどで十分です。肩とお腹の力を抜き、ゆっくり吸って、ゆっくり吐いてください。苦しくなるほど頑張って深く吸う必要はありません。

腰痛で病院に行く目安はありますか?

強い痛みやしびれが続く場合、筋力低下がある場合、発熱を伴う場合、日常生活が大きく制限される場合は、早めに医療機関で相談してください。

動画でも解説しています。

 

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腰痛

【腰痛が治らない原因】真面目で我慢する人ほど痛みを繰り返しやすい理由とは?

2026年08月28日

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整体に行っても戻る。マッサージを受けても、その時だけ楽になる。ストレッチを頑張っているのに、翌日にはまた腰が痛い。

そんな慢性腰痛で悩んでいるなら、腰だけを見続ける前に、一度考えてほしいことがあります。それは、真面目に頑張り続けることが、体をずっと守りの状態にしていないかということです。

責任感が強い、人に迷惑をかけたくない、家事も仕事も途中で投げ出せない。我慢することが当たり前になっている人ほど、無意識に肩へ力が入り、歯を食いしばり、呼吸が浅くなりやすいんです。

腰痛は性格のせいではありません。大事なのは、その性格によって体をどう使い続けているかです目次

まず体験してほしい、力みと前屈の関係

立ったままで、次のようにやってみてください。痛みが強く出る動きは無理をしないでくださいね。

  1. 両肩をぐっと上げ、両手を強く握り拳にします。
  2. そのまま、できる範囲でゆっくり前屈します。
  3. 前屈した位置で肩の力を抜き、手をパーにしてぶらぶらさせます。
  4. 鼻から吸って口から吐く深呼吸を、3回ほど繰り返します。
握り拳を作り肩に力を入れたまま前屈する男性
肩と手に力を入れた状態では、体は動きにくくなりやすいです。

最初に力んで前屈したときと、力を抜いて呼吸したあとの前屈では、動かしやすさが変わることがあります。

これは気合いや根性の話ではありません。筋肉の緊張と脱力、呼吸、体の防御反応が関係しています。体が緊張していると、動くための余白が小さくなります。反対に、力が抜けて安心できる状態になると、体が動きやすくなることがあるんです。

ストレスを感じると、体は守るために固まる

人はストレスを感じると、体を守ろうとします。そのときに起こりやすいのが、筋肉を固めることです。

肩が上がる。首がこる。呼吸が浅くなる。周囲に気を張る。何かに備える。こうした反応は、体にとって異常というより、本来は自分を守るための自然な反応です。

ただし、問題はその状態が短時間で終わらず、ずっと続いてしまうことです。

  • 仕事を頑張らないといけない
  • 家事や子育てを自分がやらないといけない
  • 介護で気が抜けない
  • 人に迷惑をかけられない
  • まだ頑張れる、と自分に言い聞かせてしまう

こうした「しなければいけない」の積み重ねで、体が24時間ずっと戦闘モードになることがあります。交感神経が優位になりやすく、呼吸は浅くなり、体はリラックスしにくくなる。結果として、巡りも落ちやすくなります。

この状態では、腰だけをほぐしても、ストレッチで一時的に伸ばしても、日常の緊張パターンに戻った瞬間に、また腰が守りに入ってしまいやすいんです。

性格が悪いのではなく、体の使い方が固まっている

「真面目な人は腰痛になりやすい」と言うと、性格が原因のように聞こえるかもしれません。でも、そういう話ではありません。

真面目で責任感のあること自体は悪いことではないです。ただ、頑張る人ほど、肩に力が入りやすい。呼吸が浅くなりやすい。歯を食いしばりやすい。休むときまで力を抜けない。こういう体の使い方のクセが続きやすいということです。

輪ゴムをずっと引っ張り続けると、元に戻りにくくなりますよね。体も似ています。長時間ずっと力を入れ続けると、緩め方そのものを忘れてしまうことがあるんです。

ギプスで固定した腕や指を外したあと、すぐに普段どおり動かせないことがあります。筋肉だけの問題ではなく、体がその動きを忘れているような状態です。

慢性的に力んでいる人も同じです。「力を抜いてください」と言われても、どう抜いたらいいのか分からない。これが、腰痛や肩こり、首こり、頭痛などを繰り返す背景の一つになります。

腰だけではなく、体全体の巡りを見る

東洋医学では、心身の状態を「巡り」という視点でも見ていきます。ストレスや緊張が続くと、気の巡りが滞り、血の巡り、水の巡りにも影響が出やすいと考えます。

その結果、腰だけではなく、肩、首、頭、指など、いろいろな場所に痛みや張りが出ることがあります。

実際に、ヘルニアが少し落ち着いたあとで、肩甲骨の縁が痛くなったり、指の痛みが気になったりするケースもあります。痛みが一箇所に固定されず、点在するように感じることもあります。

痛む場所だけを追いかけるのではなく、体全体がどんな状態なのかを見る。腰だけを施術するのではなく、足先、ふくらはぎ、臀部、呼吸、首肩の緊張まで含めて見ていく。そうすると、今までつながっていなかったことが見えてくる場合があります。

西洋医学と東洋医学、どちらか一方ではなく両方を知る

もちろん、西洋医学を否定する話ではありません。検査は大切ですし、薬が必要なときもあります。手術が必要な人もいます。実際に手術を経験しているからこそ、医療の力が必要な場面はよく分かります。

一方で、検査や診断だけでは説明しきれない体の変化もあります。同じ年代で、同じように更年期といわれても、夜中に目が覚める人もいれば、目が覚めない人もいる。診断名が同じでも、体の反応まで全員同じではありません。

だからこそ、一般的な医学的な評価を大切にしながら、自分の体質、生活、感情、呼吸、緊張のクセも見ていく。西洋医学か東洋医学かではなく、自分に合う理解と選択肢を増やすことが大切だと思っています。

我慢は、体にも我慢をさせてしまう

不安、怒り、悲しみ、我慢。こうした感情は、体の巡りに影響しやすいと考えています。特に我慢が続く人は、自分の気持ちだけでなく、体にもずっと我慢をさせてしまいがちです。

体は乗り物です。でも、単なる部品の集まりではありません。自分とは別の人格があるくらいの感覚で、体と対話してほしいんです。

「もっと頑張れ」と追い込むこともできるし、「今日はもう休もうか」「無理しなくていいよ」と休ませることもできる。その選択をしているのは、自分です。

もし腰に口がついて話せたら、何と言うでしょうか。

ずっと痛い腰なら、「もう勘弁してくれ」と言うかもしれません。マッサージに行っても戻る、ストレッチしてもまた痛くなる。その繰り返しなら、腰は「腰だけをどうにかしようとする前に、生き方の力みを見てくれ」と言いたいかもしれません。

自分の体を、家族の一員のように大切に扱ってください。車の部品を交換するように、どこかを変えたら終わりという話ではありません。

今日からできる、頑張らないセルフケア

ここで大事なのは、セルフケアまで頑張りすぎないことです。痛みを我慢して強くやるのではなく、気持ちいい範囲で、体に安心を伝えるように行ってください。

1. 10秒かけて息を吐く

鼻から自然に吸って、口からゆっくり10秒ほどかけて吐きます。これを5回行ってください。

普段の呼吸では、4秒吸って6秒吐く方法もおすすめですが、今日はまず、吐く息を長くすることを意識してみましょう。10秒吐くのは意外と難しいです。それだけ普段、呼吸が浅くなっていることに気づけるかもしれません。

2. 肩を上げて、ストンと落とす

両肩を耳に近づけるように上げて、ストンと落とします。これを10回ほど。

大げさに上げなくても大丈夫です。仕事中でも、お風呂の中でもできます。肩に「もう力を入れなくていいよ」と教えるイメージでやってください。

3. 手をぶらぶら振る

手を軽くぶらぶらさせるだけでも十分です。強く振る必要はありません。肩、肘、手首、指先まで、余計な緊張をほどくようにゆらします。

ポイントは、頑張らないことです。「効かせよう」と思って力を入れるのではなく、気持ちいい程度で終わらせてください。

両手を胸の前で力を抜くように動かす男性
肩や手を軽く動かして、体に力を抜く感覚を思い出させます。

強い刺激より、安心できる刺激を選ぶ

痛いほど押してもらう方が効いている気がする。内出血するくらい強く押さないと満足できない。そういう感覚になっている人もいます。

でも、強い刺激を求め続けると、神経が鈍くなり、さらに強い刺激が欲しくなることがあります。辛いカレーを食べて、熱い、辛い、痛いとなる刺激を繰り返しているようなものです。

体は、強い刺激よりも、安心できる軽い刺激に反応することがあります。痛いことを我慢するセルフケアより、触れて気持ちいい、動かして気持ちいい、そのくらいを目指してください。

臀部をテニスボールでほぐす場合も同じです。お尻は脂肪や筋肉があって自分では圧を入れにくい場所ですが、痛気持ちいい程度なら選択肢になります。ヘルニアや脊柱管狭窄症などがある場合も、無理に強く押し込まず、体の反応を見ながら行うことが大切です。

腰痛を変える第一歩は、腰を責めないこと

真面目であることは悪くありません。頑張れることも素晴らしいです。

ただ、頑張り続けることで体が守り続けているなら、そのままでは腰も緩みにくくなります。マッサージを受けても、ストレッチをしても戻りやすいのは、腰が悪いからだけではなく、体全体がずっと緊張を続けているからかもしれません。

腰だけを見ない。心、呼吸、巡り、日常の力み方を見る。そして、自分の体を無理やり変えようとしないことです。

整えば、体は勝手に変わろうとします。まずは今日、10秒かけて息を吐くことから始めてみてください。

よくある質問

真面目な性格を変えないと腰痛は改善しませんか?

性格を変える必要はありません。大切なのは、真面目さや責任感によって無意識に続いている、肩の力み、浅い呼吸、食いしばりなどの体の使い方に気づくことです。

呼吸だけで腰痛が治りますか?

呼吸だけで全ての腰痛が解決するという話ではありません。ただし、緊張が強く呼吸が浅い状態では体が守りに入りやすいため、ゆっくり吐く呼吸で力みを抜くことは、体を整える一つの手段になります。

痛いマッサージの方が効果がありますか?

痛みが強いほど良いとは限りません。強い刺激を繰り返し求めるよりも、体が安心できる気持ちいい程度の刺激で、緊張をゆるめる感覚を作ることを大切にしてください。

腰以外の場所が痛くなるのは悪化ですか?

痛みの出方には個人差があるため、一概には判断できません。腰だけでなく肩、首、指などに不調を感じる場合は、痛い場所だけでなく、体全体の緊張や巡りを見直す視点も持ってみてください。

詳しくは動画でも解説していますので参考にして下さい

こちらのページも参考にして下さい

腰痛

【腰痛を繰り返す原因】何度も再発する人に共通する体の使い方とは?

2026年08月28日

video thumbnail for '【腰痛を繰り返す人へ】何度も再発する意外な理由|腰だけの問題ではなかった'

「もう治ったと思ったのに、また腰が痛い」「ストレッチを続けているのに戻ってしまう」「治療を受けたのに再発した」。こういう腰痛の繰り返し、ほんまに多いです。

僕自身も、以前は毎年2月頃になるとぎっくり腰になるような人間でした。もう癖みたいになっていたんですよね。だからこそ、痛みが出た腰だけに目を向けても、再発を防ぐところまでは届かないことがあると感じています。

大事なのは、痛みが消えることと、体が整うことは同じではないということです。腰痛を繰り返さない体を目指すなら、腰以外も含めた体全体の使い方、巡り、生活習慣を見直していく必要があります。

 

目次

まず試してほしい、足首で前屈が変わる簡単チェック

腰痛が腰だけの問題ではないことを体感しやすい、シンプルなチェックがあります。

  1. 立った状態で前屈し、今どこまで曲がるかを覚えておく
  2. 左右の足首を、正回しと逆回しを含めてそれぞれ20回ほど回す
  3. もう一度、同じように前屈する

これだけで前屈しやすくなった、腰の突っ張りが変わったと感じる人がいます。もちろん全員が同じ変化を感じるわけではありませんが、ここで伝えたいのは「足首を回したら腰が柔らかくなる」という小手先の話だけではありません。

床に座って片足首を手で回している男性
前屈の前後で足首を回すと、腰以外の動きが影響していることに気づきやすくなります。

腰の動きは、足首や股関節、膝、歩き方、呼吸など、体のほかの部分ともつながっている。だから腰だけをほぐして一時的に楽になっても、負担のかかり方が変わっていなければ、また戻ってしまうことがあるわけです。

痛みがない=治った、ではない理由

痛み止め、湿布、施術、ストレッチなどで痛みが軽くなることはあります。日常生活に支障があるときや、どうしても必要な場面でそれらを使うこと自体を否定する話ではありません。

ただ、それで痛みが引いたからといって、体が完全に整ったとは限りません。

火災報知器を止めても、火が消えたとは限らない

痛みは、体からのサインとして考えることができます。たとえば火災報知器の警報音だけを止めても、火元が残っていれば火事は終わっていませんよね。

同じように、痛みというサインだけを抑えても、日常生活の中にある負担の原因が残っていれば、同じ場所にまた負担がかかります。湿布や薬、腰だけのストレッチ、痛い場所だけの施術が「間違い」ということではありません。でも、そこだけで終わると再発につながりやすいのです。

腰を伸ばして気持ちいい、楽になった。それは半分正解です。ただ、本当に見ていくべきなのは、腰に負担を集めている日常生活のどこかにある火元かもしれません。

再発しやすいのは、治らないからではなく戻りやすいから

「じゃあ一生治らないんですか」と思うかもしれません。でも、そういう話ではありません。

再発を繰り返す状態は、治らないのではなく、戻りやすい状態が残っているということです。人よりも痛みの再発スピードが早くなっている。その状態を変えるには、痛い場所を一度楽にするだけでなく、再発しにくい体づくりを考える必要があります。

タイヤだけ替えても、ハンドルが曲がっていればまっすぐ走れない

車のハンドルが左に切れたままなら、タイヤを新しく交換しても車はまっすぐ走りません。まっすぐ走るためには、ハンドルの向きそのものを戻す必要があります。

体も同じです。腰が痛いから腰だけに施術をしても、足首、股関節、膝、歩き方、呼吸といった体の使い方が以前のままであれば、腰にはまた負担が集まりやすくなります。

腰痛だけではありません。肩、首、膝でも考え方は同じです。痛い場所は結果として出ている場所であって、負担の始まりが必ずしもそこにあるとは限りません。

施術や治療の後こそ、生活習慣を変える

医療や手術、再生医療などが進歩していることは素晴らしいことです。検査、診断、手術など、西洋医学が必要な場面は当然あります。

ただ、どれだけ良い治療を受けても、その前に痛みをつくった生活をそのまま続ければ、同じように負担が積み重なる可能性があります。

たとえば膝の治療後に、床で寝る生活をベッドに変える、階段の上り下りを控える、床に座る時間を見直すといった生活上の工夫を勧められることがあります。これは単なる制約ではなく、膝関節にかかる負担を減らすための考え方です。

腰痛でも同じです。施術だけで何とかしようとするのではなく、普段の動作や姿勢、歩き方、呼吸、休み方を変えていく。ここまで含めて初めて、再発しにくい状態に近づいていきます。

腰だけを見ない。体全体の「巡り」を見る

僕は、腰が痛いから腰だけを見るという考え方はしていません。腰痛があるなら、腰周辺だけでなく下半身全体を見ます。

  • 足首の動き
  • 足の指や足の甲の使い方
  • 膝や股関節の動き
  • 立ち方や歩き方
  • 呼吸の浅さ
  • 筋肉が無意識に力んでいないか

東洋医学的な見方では、気、血、水の巡りがスムーズであることを大切にします。巡りが滞ると、体は「このままではまずい」と守りに入ります。その結果として筋肉が硬くなり、呼吸が浅くなり、関節が動きにくくなって、腰や肩、首などに痛みとして現れると考えます。

これは西洋医学を否定するための話ではありません。検査や診断、手術が必要なこともあります。そのうえで、数字や画像だけでは捉えきれない体の変化もある。だから僕は、西洋医学と東洋医学のどちらか一方だけではなく、両方の視点を大事にしています。

真面目で責任感が強い人ほど、無意識に体を守りやすい

腰痛を繰り返しやすい人には、ひとつの傾向があります。真面目で、責任感が強くて、我慢できてしまう人です。

こういう人は、心でも体でも無意識に力が入りやすい。頑張らなあかん、迷惑をかけられへん、まだやれる。そうやって力みが続くと、体の巡りもスムーズにいきにくくなります。

だから再発予防は、筋肉や関節だけの問題ではありません。心の力を抜くことも、体を整える一部です。

ときには「腰がもし話せるなら、何て言うだろう」と考えてみてください。寝るときにいつも同じ方向を向いて腰がつらい、自分でも姿勢の偏りに気づいている。そんなふうに、体が出している答えを本人がすでに分かっていることもあります。

自分の痛みを、敵として黙らせるだけではなく、体からのメッセージとして少し観察してみる。その視点があるだけでも、日常の選択は変わってきます。

今日からできる再発予防セルフケアはシンプルでいい

セルフケアは、複雑すぎると続きません。ややこしいメニューをたくさん覚えるより、続けられるシンプルなことのほうが大切です。

1. 足首を回す

先ほどのように、左右の足首をゆっくり回してみてください。前屈などの動きの前後で比べると、自分の体のつながりに気づきやすくなります。

2. 鼻から吸って、口から吐く

もうひとつは呼吸です。鼻から吸い、口からゆっくり吐く。これだけです。

呼吸が浅いと体は力みやすく、関節の動きにも影響が出やすくなります。何か特別なことをしなくても、まずは呼吸を整える時間をつくることから始めてみてください。

体を揺らす、足を振るなどの簡単な動きで動作を整え、その後にツボ刺激などを取り入れて変化を維持していくという考え方もあります。でも最初から全部を頑張る必要はありません。まずは続けられることを、毎日の中に入れることです。

「年齢のせい」で終わらせない

40代、50代になってくると、年齢のせい、加齢のせい、更年期のせいと言われることが増えてきます。年齢とともに変化が起きること自体は当然あります。

でも、年齢だけがすべての答えではありません。60歳を過ぎたら全員が膝を痛めるのか、70歳を過ぎたら全員が同じように体の不調を抱えるのか。そんなことはないはずです。

今のうちから体の健康を少しずつ積み上げていけば、10年後、20年後、30年後の状態は変わってきます。薬や湿布に頼る前に、体の循環や使い方を整える。その選択肢を持っておくことが大事です。

自分の体の主導権を、自分に戻す

医師、施術者、介護者などの専門家の意見は大切です。ただし、最終的に自分の体と付き合っていくのは自分です。

だからこそ、言われたことをただ受け取るだけではなく、「これは自分に本当に合っているのか」「自分が大切にしたい生活を守れるのか」と考えることも必要です。

歩きたいと思っている人が、楽だからとすぐに歩く機会を失ってしまえば、体は使わない方向へ進みやすくなります。もちろん安全を無視するという話ではありません。自分の希望と体の声を置き去りにせず、納得できる選択を重ねていくことが大切です。

自分の子どもや家族、大事な人にも勧められることかどうか。そこを基準に、体との向き合い方を考えていきたいと思っています。

腰痛再発を防ぐために覚えておきたいこと

  • 痛みがなくなったことと、体が整ったことは別
  • 腰痛の原因は、腰以外の関節、歩き方、呼吸、生活習慣にもある
  • 薬や湿布は必要なときに使ってよいが、それだけをゴールにしない
  • 足首を回す、呼吸を整えるなど、続けやすいセルフケアから始める
  • 真面目さや我慢による無意識の力みも、体の状態に関係する
  • 年齢のせいだけで片づけず、これからの体を積み上げていく

腰痛を繰り返すと、「自分は腰が弱いんや」と思ってしまいがちです。でも、腰が弱いからではなく、体全体が腰に負担を集めやすい状態になっているだけかもしれません。

痛い場所だけを何とかするのではなく、体の巡り、呼吸、動き、生活習慣まで含めて整えていく。体は無理やり変えるものではありません。整ってくれば、体はちゃんと変わっていきます。

よくある質問

腰痛が一度よくなったのに、すぐ再発するのはなぜですか?

痛みが消えても、腰に負担を集めていた歩き方、足首や股関節の動き、呼吸、生活習慣が変わっていなければ、戻りやすい状態が残ることがあります。痛む腰だけでなく、体全体の使い方を見直すことが大切です。

腰痛には腰のストレッチだけでは足りませんか?

腰のストレッチで楽になることはあります。ただ、腰以外に負担の原因がある場合、腰だけを伸ばしても一時的な変化にとどまることがあります。足首、膝、股関節、呼吸、歩き方にも目を向けてみてください。

湿布や痛み止めは使わないほうがいいですか?

日常生活に支障があるときなど、必要な場面で使うこと自体を否定するものではありません。ただし、痛みが軽くなったことだけをゴールにせず、再発しにくい体の状態や生活習慣も同時に考えていくことが大切です。

腰痛再発予防として、まず何から始めればよいですか?

立った状態で前屈を確認し、左右の足首を回してからもう一度前屈するチェックがおすすめです。あわせて、鼻から吸って口から吐く呼吸をゆっくり行い、体の力みを抜く時間をつくってみてください。

動画でも詳しく解説していますのでご覧になって下さい。

【腰痛が治らない】ストレッチやマッサージをしても繰り返す理由|体の防御反応とは?

2026年08月28日

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毎日ストレッチをしている。筋トレも頑張っている。湿布を貼って、セルフケアも続けて、病院や整体にも通っている。

それでも腰痛がなかなか変わらない。肩こりや体の重だるさも抜けない。

そんなときに見直してほしいのが、頑張りの量ではなく、頑張る順番です。

努力が悪いわけではありません。ストレッチも運動も大切です。ただ、体がすでに緊張して守りに入っている状態で、さらに「何とかしよう」と力を加えると、体はますます防御しようとします。

腰痛を変えていくために必要なのは、無理に体を変えることではありません。まずは体に安心してもらい、巡りを整えることです。

目次

腰痛が長引く人ほど、真面目に頑張っている

腰痛が続く人には、とても真面目で責任感が強い方が多いです。我慢強くて、休むよりも先に「もっとできることはないか」と考える。セルフケアもきっちりやるし、痛くても頑張って続ける。

でも、体からすれば「痛いのに頑張る」は安心できる状況ではありません。

頑張ろうとすると、自然と力が入ります。呼吸が浅くなり、肩が上がり、歯を食いしばりやすくなります。その姿勢のまま仕事や家事、日常生活を続けていると、体は危険を感じて防御姿勢を取り続けます。

つまり痛みは、腰だけが悪いというより、体全体が守りに入っているサインとして出ていることがあるんです。

体が守りに入ると、強い刺激ではゆるみにくい

「痛いけど気持ちいいくらいの強揉みが好き」という方もいます。ただ、痛みを我慢しながら強い刺激を受けているとき、体はリラックスしているとは限りません。

守っている体にさらに強い刺激を入れると、筋肉と神経の関係が混乱しやすくなります。一時的にスッキリしたように感じても、それが本当に体が安心してゆるんだ結果とは限らないんですね。

辛い物も、ほどよい辛さならおいしい。でも、舌がしびれるほどの辛さになると話は別です。強い刺激に慣れてしまうと、刺激そのものを「効いている」と感じやすくなることがあります。

体のケアも同じです。痛い場所をさらに痛くするより、体が「これなら大丈夫」と感じられる刺激のほうが、反応が出ることがあります。

ストレッチが悪いのではなく、順番が大事

ここは誤解してほしくないのですが、ストレッチが悪いわけではありません。

ただし、体がガチガチに守っている状態で、無理やり伸ばそうとするのはおすすめできません。腕も力を入れて固めたままでは、上げにくくなりますよね。最初に力を抜いた状態なら、同じ腕でも動かしやすくなります。

腰や肩もそれと同じです。緊張した状態で無理に伸ばせば、かえって筋肉を痛めることがあります。

大切なのは、次の順番です。

  1. 巡りを整える
  2. 体を安心させてリラックスする
  3. その後に軽く動かす、伸ばす、鍛える

畑で作物を育てるときも、いきなり苗だけ植えて実がなるわけではありません。土を整えて、水を与えて、育つための環境をつくることが先です。

体も同じで、まずは動ける土台を整える。その後にストレッチや運動を入れるから、体も受け取りやすくなります。

「絶対に治す」が体を緊張させることもある

眠ろうとしているのに、「絶対に寝なければ」と思うほど眠れなくなることがあります。

遠足や運動会の前日、楽しみと緊張で目が冴えてしまった経験もあると思います。寝よう、寝ようと意識するほど、体は興奮してしまうんですね。

腰痛も似ています。「早く治さないと」「もっとやらないと」と思う気持ちが強すぎると、知らないうちに心も体も緊張しやすくなります。

だからこそ、回復のスタートは「治そう」と力むことではなく、少し安心すること、少しゆるむことです。

東洋医学でいう「巡り」を整える

東洋医学には、気、血、水が巡ることで、体が本来の働きを取り戻していくという考え方があります。

ここで大事なのは、無理に変えるのではなく、整えるという考え方です。

運動も筋トレも、いきなり全力では始めません。走る前には屈伸やストレッチをしますし、水泳でも肩や腕を動かしてから入ります。スポーツでも筋トレでも、準備なしで本番に入ることはありません。

巡りが悪く、緊張している状態で頑張ると、ただ疲れるだけになりやすい。まず巡らせて、動ける状態をつくってから運動する。この順番を大切にしてください。

真面目さ、我慢、責任感が体の緊張につながる

東洋医学では、感情と内臓、体の状態のつながりも大切に考えます。

責任感が強い人、頑張り屋さん、我慢することが多い人は、無意識に体を力ませていることがあります。心が緊張すれば、体も緊張する。内側が固まれば、巡りも悪くなりやすい。

腰痛が多い背景には、こうした日々の緊張も関係しているかもしれません。

少しイメージしてみてください。もし自分の腰と会話できたら、腰は何と言うでしょうか。

「もっと頑張れ」「まだ無理しろ」とは、たぶん言わないはずです。

「もう無理しなくていいよ」「少し休もうよ」「ちょっと休憩しよう」と言うんじゃないでしょうか。

自分の腰を、大切な家族や子どもだと思ってみても同じです。痛がっている相手に、もっと無理をさせようとは思わないはずです。

体は敵ではありません。体はずっと、あなたを守ろうとしている味方です。

頑張らないセルフケアを3つだけ続ける

セルフケアは、頑張りすぎると続きません。だから、日常の中でできるくらい簡単なものから始めましょう。

ポイントは、効かせようと力むことではありません。気持ちいい、心地いいと感じる範囲で行うことです。

1. 鼻から吸って、口からゆっくり吐く

椅子に座ったままで大丈夫です。鼻から息を吸って、口からゆっくり吐いてください。これを3回ほど行ったあと、肩の力を抜いたり、軽く前に体を倒したりしてみてください。

腰や肩を直接もんでいなくても、張り感が少し変わったり、動きやすさを感じたりすることがあります。

寝る前なら、吐く息に10秒かけるのがおすすめです。最初から10秒が難しいなら、6秒からで十分です。慣れたら7秒、8秒と少しずつ伸ばしていけば大丈夫です。

目安は、ゆっくり吐く呼吸を5回。無理に大きく吸おうとせず、吐くことを意識してください。

2. 太渓をやさしく押しながら足首を動かす

太渓は、内くるぶしとアキレス腱の間にあるツボです。このあたりを気持ちいい程度に押さえながら、足首を上下に動かします。

回数は20回くらいで大丈夫です。足が疲れているときや、巡りが悪いと感じるときにも取り入れやすいセルフケアです。

座った男性が内くるぶし付近を押さえながら足首を動かしている
内くるぶしとアキレス腱の間をやさしく押さえ、足首を上下に動かします。
3. 肩を上げて、ストンと落とす

両肩を耳に近づけるように上げて、ストンと落とします。これを5回ほど繰り返してください。

肩を上げるときに頑張って力を入れる必要はありません。落としたときに「ふう」と息が抜けるくらいで十分です。

座った男性が両肩をすくめて上げている
肩を上げたら、息と一緒にストンと落とします。力を抜く感覚を優先してください。

簡単なケアでも、積み重ねれば体は変わる

「こんな簡単なことで変わるんですか」と聞かれることがあります。

答えは、変わります。ただし、今日やったから明日すぐに痛みが消える、という話ではありません。

勉強や筋トレと同じで、体も積み重ねです。安心できる刺激を何度も受け取りながら、少しずつ「もう守り続けなくても大丈夫かもしれない」と感じられる状態をつくっていきます。

だから痛いときほど、もっと強く押す、もっと伸ばす、もっと追い込むという方向に行かないことです。体が痛いと言っているなら、その声を聞いてあげてください。

痛気持ちいい程度で止める。無理をしない。続けられることを続ける。

これが、頑張らないセルフケアの大事な考え方です。

健康、時間、お金の順番を見直す

何を大切にして生きていくかを考えたとき、ついお金を最優先にしがちです。でも、僕は順番が違うと思っています。

  1. 健康
  2. 時間
  3. お金
  4. 自由

お金があっても、健康でなければ使いにくい。時間があっても、体がしんどければ、その時間は通院や不調への対応に取られてしまう。自由があっても、健康でなければ心から楽しみにくい。

仕事をするにも、稼ぐにも、好きなことをするにも、土台になるのは健康です。

腰痛があるからといって、自分を責めなくて大丈夫です。頑張ってきたからこそ、体が守ろうとしているのかもしれません。

まずは体と戦わず、安心させること。巡りを整えて、少しずつ動かしていくこと。そこから本来の回復する力が働き始めます。

よくある質問

腰痛があるとき、ストレッチはやめたほうがいいですか?

ストレッチそのものが悪いわけではありません。ただ、体が強く緊張しているときに無理やり伸ばすのは避けてください。まずは呼吸や軽い動きで体を安心させてから、気持ちいい範囲で行うことが大切です。

セルフケアは痛いくらい押したほうが効きますか?

痛みを我慢するほど強く押す必要はありません。体が安心できる、痛気持ちいい程度の刺激で十分です。痛いと感じる刺激は、体がさらに守りに入りやすくなることがあります。

呼吸は何回くらい行えばいいですか?

まずは鼻から吸って口から吐く呼吸を3回、寝る前ならゆっくり吐く呼吸を5回ほど行ってみてください。吐く息は、できれば10秒を目安にしますが、苦しい場合は6秒から始めて大丈夫です。

頑張らないセルフケアで本当に変わりますか?

すぐに大きく変わることだけを目標にするのではなく、気持ちよく続けることが大切です。強い刺激よりも、安心できる刺激に体が反応することがあります。無理なく反復することで、少しずつ体の状態は変わっていきます。

 

詳しくは動画でも解説しています。参考にして下さい。

【朝の腰痛】朝起きると腰が痛い・重い人へ|動くと楽になるのはなぜ?

2026年08月26日

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ベッドから立ち上がった瞬間に腰が痛い。最初の一歩がつらい。でも、顔を洗って着替えて、10分から20分ほど動いていると少し楽になる。

もしこのパターンに当てはまるなら、覚えておいてほしいことは一つです。朝の腰痛だからといって、腰だけを見る必要はありません。

腰が痛いと、腰を揉む、伸ばす、ストレッチするという方向に意識が向きやすいです。もちろん、それで楽になるなら悪いことではありません。ただ、毎朝同じことをしても翌朝また痛いなら、一度「腰が悪いから腰が痛い」という前提を外してみましょう。

目次

朝だけ腰が痛くて、動くと楽になる理由

腰痛にはいろいろなタイプがあります。ずっと痛い人、座ると痛い人、歩くと痛い人、寝返りで痛い人。そして、朝起きたときがいちばん痛い人です。

大切なのは、「どこが痛いか」だけではなく、いつ痛いのかを見ることです。朝は痛いのに、動いていると少し楽になる。これは、動くことによって体のどこかに変化が起きているヒントになります。

立ち上がるときも歩くときも、腰だけが単独で動いているわけではありません。足裏に体重が乗り、足首が動き、膝、股関節、骨盤が連動して、その上で腰が動きます。

寝ている間は何時間も歩きません。足首や股関節も、日中ほど大きく動きません。その状態で朝いきなり体重をかけると、下半身がうまく動きを受けきれない場合に、腰が余分に頑張ることがあります。

だから朝の腰痛では、腰だけではなく、まず足を見るという考え方が出てきます。

体はつながって動く。腰だけを追いかけない

体は、足首、膝、股関節、骨盤、腰という流れで連動しています。どこか一つが動きにくくなれば、別の場所がその動きを補います。その結果、腰に負担が集まることがあります。

自転車にたとえると、前輪が少し曲がっているのに、後輪だけをまっすぐにしてもきれいには進みません。体も同じです。腰だけを一生懸命整えても、その下の股関節、膝、足首が動きにくければ、また腰が頑張ることになります。

前輪と後輪のずれを説明する自転車の図
腰だけでなく、下半身からの連動を見直すことが大切です。

道路の渋滞も似ています。前方で事故が起きれば、止まるのは事故現場だけではなく、その後ろへ渋滞が広がります。足首が動きにくければ膝が補い、膝が動きにくければ股関節が補い、さらに骨盤や腰が補うことがあります。

症状が出ている場所と、最初に確認したい場所が同じとは限りません。ここが「体はつながっている」という考え方です。

まず確認したい2つのセルフチェック

このチェックでは原因を決めつけません。目的は、今の自分の体がどうなっているか、左右にどんな差があるかを知ることです。

1. 膝上げと足踏みの左右差を確認する

椅子に浅く座り、右膝を胸の方向へ軽く上げます。次に左、もう一度右、左と交互に行いましょう。

  • 片方だけ重く感じる
  • 片側だけ上げにくい
  • 腰に詰まるような感じがある
  • 左右で上がる高さが違う

こうした違和感があれば覚えておいてください。続いて立ち、その場で右、左と軽く足踏みをします。どちらかの脚が上げにくくないかも確認します。

立った状態で片脚を上げて足踏みをする様子
左右の脚の上げやすさは、朝の動き始めを知るヒントになります。

2. 足首の動きを左右で比べる

椅子に座ったまま、かかとは床につけます。つま先を上げて戻す動きを、左右片方ずつ行ってください。

  • 片方だけ動かしにくい
  • ふくらはぎが張る
  • すねが突っ張る
  • 左右で感覚が違う

腰痛なのに足首を見るのは、立ち上がる動きが足首から始まるからです。足首の動きが十分でないまま、朝いきなり立とうとすれば、その上にある膝、股関節、骨盤、腰に影響が出ることがあります。

朝起きる前に行う3つのセルフケア

朝いちばんは、強く伸ばすことよりも、体を少しずつ動かし始めることが大切です。痛い腰を何とかしようと力むのではなく、「これから体を動かしますよ」と足元から準備するイメージで行ってください。

1. 足首をゆっくり動かす

仰向け、または上半身を少し起こした姿勢で、両足のつま先を手前に引きます。次に、床側へゆっくり伸ばします。

ゆっくり20回を目安に繰り返してください。

ベッド上で両脚を伸ばしてつま先を上下に動かす様子
足首とふくらはぎを、力まずゆっくり動かし始めます。

強く動かす必要はありません。足首やふくらはぎが少し動き始めるくらいで十分です。

2. 膝倒しで骨盤まわりを小さく動かす

仰向けで膝を立てます。両膝をそろえたまま、左右へ小さく倒します。上半身を起こした姿勢で行っても大丈夫です。

左右に倒して20回を目安に行いましょう。途中で体がずれてきたら、自分で楽な位置に戻してください。

膝を立てて両膝を横へ倒す動作
床まで無理に倒さず、骨盤まわりを小さく動かせば十分です。

腰をぐいぐい伸ばすための動きではありません。朝は、伸ばすよりも動かす感覚で大丈夫です。

3. 膝抱えで股関節を動かす

仰向けになり、膝を胸の方向へ持ってきて抱えます。そして戻します。

膝を胸に無理やり引きつける必要はありません。痛みが出ない、動かせる範囲で行ってください。20回を目安に繰り返します。

仰向けで両膝を胸の方向へ抱える動作
目的は強く伸ばすことではなく、股関節を無理なく動かすことです。

3つの動きが終わったら、勢いよく立たず、ゆっくり起き上がってください。その場で足踏みをして、最初のチェックと比べます。足の出しやすさや立ちやすさに変化があるかを確認しましょう。

腰をほとんど触っていないのに変化があったなら、腰を見るときに足首や股関節の動きも確認する価値がある、というヒントになります。

東洋医学の「経絡」から見る腰と足のつながり

東洋医学には、経絡という体のつながりを見る考え方があります。背中、腰、お尻、太ももの後ろ、ふくらはぎ、足へと続くラインには、膀胱経という経絡があります。

背中から脚へ続く膀胱経の経絡図
腰から脚へ続くラインも含めて、全体の巡りを見ていきます。

腰が痛い人でも、太ももの後ろが硬い、ふくらはぎが張る、足首が動かしにくいということがあります。ここでいう「巡りを見る」とは、腰だけを一か所で見るのではなく、体全体のつながりを見ていくことです。

朝の巡りを整える3つのツボ

ここからは、足首やふくらはぎにある3つのツボを紹介します。ツボを押さえながらつま先を上下に動かし、気持ちよいと感じる範囲で行います。

いずれも左右それぞれ20回を3セットが目安です。痛みが強い場合は、押す強さや動かす幅を小さくしてください。

崑崙(こんろん)

崑崙は、外くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみです。指でその部分を軽く押さえ、つま先を上下に20回動かします。

外くるぶしとアキレス腱の間を押さえて足首を動かす様子
崑崙は外くるぶしとアキレス腱の間のくぼみを目安にします。

崑崙は膀胱経に属するツボとして紹介され、慢性的な腰の痛みがある場合にも用いられるツボです。

承山(しょうざん)

承山は、ふくらはぎの後ろ側でいちばん盛り上がっているところにあります。その部分を押さえながら、つま先を上下に20回動かします。

ふくらはぎの盛り上がった部分を押さえて足首を動かす様子
承山はふくらはぎの中央付近にある盛り上がりを目安にします。

承山も膀胱経に属するツボです。刺激すると痛みを感じることがあるため、痛気持ちいい程度に調整してください。

動かしていると足首がゴキゴキ鳴ることがあります。音がしても痛くなければ続けて構いません。ただし痛みがあるなら、動きを小さくして音が鳴らない範囲で行いましょう。

太渓(たいけい)

太渓は、内くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみです。崑崙の反対側にあるイメージです。親指で軽く押さえ、つま先を上下に20回動かします。

内くるぶしとアキレス腱の間を親指で押さえる様子
太渓は内くるぶし側のアキレス腱の横にあるくぼみです。

太渓は腎経に属するツボで、腰と深く関係する経絡上の重要なツボとして紹介されています。こちらも左右20回を3セットの目安で行ってください。

セルフケアでいちばん大切なのは、変化を見ること

朝の腰痛がある人全員に、同じセルフケアが合うわけではありません。ここで大切にしたいのは、セルフケアのメニューそのものではなく、やる前とやった後で体がどう変わったかです。

  • 最初の一歩が出やすくなったか
  • 足踏みで上げやすい脚が変わったか
  • 足首の動きに左右差があるか
  • 朝と昼で痛みや動きがどう変わるか
  • どこを動かすと少し楽になるか

「腰痛にはこれ」と探し続けるより、自分の体を見る習慣を作ってください。今日はここが動きにくい。ここを動かしたら少し楽になった。その小さな変化に気づくことが、これから自分の体と向き合ううえでとても大切です。

セルフケアだけで判断しないでほしい症状

すべての腰痛をセルフケアで何とかしようとしないでください。次のような場合は、セルフケアだけで判断せず、医療機関に相談してください。

  • 強い痛みが続く
  • 痛みが日に日に悪化する
  • 脚の強いしびれが止まらない
  • 脚に力が入りにくい
  • 発熱を伴う
  • 排尿や排便に異常がある

薬、注射、検査、手術など、必要な医療はもちろん大切です。痛みが強い場合は、無理せず医療機関を受診してください。

まとめ: 朝の腰痛は、足元から体を起こしていく

朝起きたときの一歩目で腰が痛い。でも少し動くと楽になる。そんなときは、腰を揉んだり伸ばしたりし続ける前に、体全体がまだ動き出していない可能性を考えてみてください。

  1. 足首をゆっくり動かす
  2. 膝と骨盤を小さく動かす
  3. 股関節を動かす
  4. ゆっくり立ち上がり、足踏みで変化を確認する

腰が痛いから腰、膝が痛いから膝と、痛い場所だけを追いかけても分からないことがあります。足首が動き、膝が動き、股関節が動き、骨盤が動く。その連動の中で腰も動いています。

体は無理やり変えるものではありません。整えていけば、体は変わっていきます。

よくある質問

朝だけ腰が痛くて、昼になると楽になるのはなぜですか?

動いているうちに楽になる場合、足首、膝、股関節、骨盤などが動き始めることで、立ち上がりや歩行時の腰への負担が変化している可能性があります。腰だけでなく、下半身の動きも確認してみてください。

朝のセルフケアは何回行えばよいですか?

足首の動き、膝倒し、膝抱えは、それぞれゆっくり20回が目安です。痛みが出ない範囲で行い、回数よりも動いた前後の変化を確認することを大切にしてください。

朝は腰を強くストレッチしたほうがよいですか?

朝いちばんは、強く伸ばすよりも、小さく動かして体を起こす感覚で十分です。腰を無理に伸ばそうとせず、足首、膝、股関節からゆっくり動かしましょう。

足首を動かすと音が鳴りますが続けて大丈夫ですか?

音が鳴っても痛みがなければ、そのまま続けて構いません。痛みを感じる場合は、動く幅を小さくして、痛みや音が出にくい範囲で行ってください。

どんな腰痛でもこのセルフケアをしてよいですか?

強い痛みが続く、悪化している、脚の強いしびれや筋力低下がある、発熱や排尿・排便の異常がある場合は、セルフケアだけで判断せず医療機関へ相談してください。

【40代から膝が痛い】筋トレ・サプリだけでは改善しにくい理由と簡単セルフケア

2026年08月26日

40代以降になると、少し膝をひねっただけなのに違和感が長く残る、寒くなると痛みが強くなる、以前のように筋トレや軽いストレッチだけでは戻らない。そんな変化を感じる方は多いと思います。

私自身、30代の頃に両膝を変形性膝関節症と診断され、「膝が60代相当」と言われた経験があります。それでも落ち込むのではなく、今の足腰をできるだけ長く使い続けるために、外側と内側の両方からケアすることを大切にしてきました。

膝の痛みには、筋肉や関節を直接ケアすることももちろん必要です。ただ、それだけで変化を感じにくくなっているなら、体の内側の状態にも目を向けるタイミングかもしれません。

この記事では、東洋医学の考え方をもとに、膝の痛みを和らげるための食事、ツボ、経絡のセルフケアと、日常で続けたい物理的なケアをまとめます。

強い痛み、急な腫れや熱感、膝が動かせない、体重をかけられない症状がある場合は、セルフケアだけで判断せず医療機関へ相談してください。ここで紹介する内容は東洋医学的なセルフケアの考え方であり、効果には個人差があります。

目次

なぜ40代以降は膝の痛みが取れにくくなるのか

20代や30代の頃は、サッカーやサーフィンなどで膝を痛めても、翌日には痛みがやわらぎ、数日後には走れる状態まで戻ることがありました。

ところが40代、50代になると、痛みそのものは強くなくても違和感がずっと残ることがあります。特に寒い季節は、冷えによって膝のつらさが増すと感じる方も多いでしょう。

大きな背景の一つは、体の回復力が以前と同じではなくなることです。筋肉を鍛えることは大切ですが、筋肉量を維持したり増やしたりすることだけに頼るケアには、どうしても限界があります。

たとえば、ヒアルロン酸注射などを受けても変化を感じにくい状態は、穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるようなものです。外から何かを足す前に、まずは体の内側を整える視点を持つことが大切です。

東洋医学から見る膝痛と「腎」「血」「寒湿」

東洋医学では、痛みと体のエネルギーである気血の巡りには深い関係があると考えます。気血の流れが滞ると、痛みが出やすくなるという見方です。

膝の不調では、特に腎と血の働きが関係すると考えられています。ここでいう「腎」は、西洋医学の腎臓だけを指す言葉ではなく、骨や関節、生命エネルギーの土台に関わる東洋医学上の概念です。

  • 腎のエネルギー不足は、加齢とともに骨や関節の弱りにつながりやすいと考えられます。
  • 血の巡りの低下は、関節に栄養が届きにくい状態につながると捉えます。
  • 寒湿は、冷えや湿気によって起きる重だるさ、こわばり、痛みの出やすさを表す考え方です。

つまり、体の土台となるエネルギーが不足し、血の巡りが落ち、冷えや湿気の影響を受けると、膝の痛みや違和感が出やすくなるというわけです。

膝痛ケアは外側と内側を組み合わせる

膝の痛みを整えるうえで、内側からのアプローチだけを行うわけではありません。外側の物理的なケアも同じくらい重要です。大事なのは、どちらか一方だけに偏らないことです。

外側から行う3つの物理的ケア

  1. 太もも周りを中心に、無理のない筋トレをする
    膝を支える筋肉を維持することは大切です。痛みを我慢して追い込むのではなく、状態に合わせて適度に行いましょう。
  2. サポーターや温熱で膝を冷やさない
    寒い日や違和感がある日は、膝を保温する意識を持ってください。私自身も膝を冷やさない工夫を始めてから、痛みが出にくくなりました。
  3. ストレッチで可動域を保つ
    関節の可動域を広げる、または狭めないようにすることも大切です。痛みが増す動きは避け、無理のない範囲で行いましょう。

内側から整える3つのアプローチ

40代以降の膝痛では、若い頃のような回復力を前提にしないことが大切です。膝が悲鳴を上げているサインを素直に受け止め、内側からも整えていきましょう。

  • 腎を補うとされる食材を取り入れる
  • 血の巡りを意識した食事をする
  • ツボと経絡を刺激して気血の巡りを整える

腎を補う食材で関節の土台を整える

東洋医学では、腎は骨や関節の健康と深く関わると考えます。膝に不安がある方は、日々の食事で腎を補うとされる食材を意識してみてください。

おすすめの食材は黒豆、くるみ、山芋

  • 黒豆
    腎を補い、血の巡りを整える食材として考えられています。
  • くるみ
    体を温め、関節の栄養につながる食材として取り入れられます。
  • 山芋
    滋養強壮を目的に取り入れられ、関節のうるおいを保つ食材とされています。

また、黒ごまや黒豆などの黒い食材は、東洋医学では腎を補う食材としてよく用いられます。毎日たくさん食べようと無理をする必要はありません。いつもの食事に少しずつ加えることから始めてみてください。

冷えや巡りが気になるときの食材

血の巡りを意識することは、東洋医学でいう寒湿による重だるさや痛みをやわらげる考え方につながります。冷えが強く、冬に膝の痛みが増しやすい方は、温かい食事を意識しましょう。

  • 生姜
    体を温め、冷えを整える目的で取り入れます。
  • ねぎ、にんにく
    体を温め、関節の不調を防ぐための食材として使われます。
  • シナモン
    血の巡りや冷え対策を意識したいときに取り入れやすい食材です。

特におすすめなのは、温かいスープや生姜湯です。冷たい飲み物ばかりになりがちな方は、まず温かい飲み物を選ぶところから変えてみてください。

膝の痛みに使いたい2つのツボ

食事と合わせて取り入れたいのがツボ刺激です。入浴中や寝る前など、体が温まっている時間に行うと続けやすいと思います。

委中:膝裏の中央にあるツボ

委中は膝の裏側、ちょうど中央にあるツボです。東洋医学では、膝の痛みをやわらげ、血の巡りを整えるツボとして知られています。

委中は膝裏の中央を目安に、痛みが出ない強さで押していきます。

親指でゆっくりと10回ほど押すのを3セット行ってください。強く押し込む必要はありません。気持ちよい程度の圧で十分です。

太渓:内くるぶしの後ろにあるツボ

もう一つは太渓です。内くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみを目安にします。腎のエネルギーを補い、関節を温めるツボとして考えられています。

太渓を刺激した後は、足首をゆっくり回して軽く動かしましょう。

太渓も委中と同じように、10回プッシュを3セット行います。その後に足首を回すなど、軽い運動を加えるのがおすすめです。

経絡も一緒に刺激する

ツボだけでなく、膀胱経、腎経、胃経といった経絡も意識して刺激してみてください。膝の前側、足の内側、足の外側などをやさしくなでたり、押したりするイメージです。

膀胱経、腎経、胃経を意識して脚をやさしく刺激する習慣をつくりましょう。

お風呂の中や寝る前は、体が冷えにくく、手軽に続けやすい時間です。毎日完璧にやるよりも、短時間でも習慣にすることを大切にしてください。

炭酸整体スプレーを使うという選択肢

血流を意識したケアの一つとして、炭酸整体スプレーを使う方法もあります。炭酸が皮膚から入り、毛細血管を広げて血液循環を高めるという考え方です。

血液循環が高まれば、血液という栄養が全身に届きやすくなることが期待されます。シミやたるみだけでなく、痛みが気になる部位のセルフケアとしても活用されています。

ただし、スプレーはあくまで日常ケアの選択肢の一つです。膝の痛みを根本から考えるなら、食事、温め、適度な運動、ツボ刺激といった習慣と組み合わせることが大切です。

膝痛を整えるための毎日のチェックリスト

  • 太もも周りの筋肉を、無理のない範囲で動かす
  • 冷える日はサポーターや衣服で膝を温める
  • ストレッチで関節の可動域を保つ
  • 黒豆、くるみ、山芋、黒ごまなどを食事に取り入れる
  • 生姜、ねぎ、にんにく、シナモンを温かい料理に使う
  • 委中と太渓を各10回、3セットを目安に押す
  • 入浴中や寝る前に、膀胱経、腎経、胃経をやさしく刺激する

膝の痛みを改善するために、筋トレやサプリメントだけでは十分でないことがあります。外から膝を支え、温め、動かしながら、内側から食事と巡りを整えていく。この両方を組み合わせることが、長く自分の足で歩き続けるための土台になります。

今の状態を維持し、自分の足腰で老後まで歩ける体をつくる。そのために、今日できる小さなセルフケアから始めていきましょう

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膝痛セルフケアのよくある質問

膝が痛いときも筋トレはしたほうがいいですか?

太もも周りの筋肉を維持することは大切ですが、痛みを我慢して行う必要はありません。痛みが強い時期は、温めやサポーター、軽いストレッチなどから始め、無理のない範囲で取り組んでください。

委中と太渓はどのくらい押せばいいですか?

それぞれ10回ほど押すことを1セットとして、3セットを目安に行います。痛みを我慢するほど強く押さず、心地よいと感じる強さで続けてください。

冷えで膝がつらいときは何を食べればいいですか?

生姜、ねぎ、にんにく、シナモンを温かいスープや飲み物に取り入れるのがおすすめです。腎を補う食材として、黒豆、くるみ、山芋、黒ごまなども日常的に取り入れてみてください。

病院に行ったほうがよい膝の痛みはありますか?

急な腫れ、強い熱感、激しい痛み、膝が曲げ伸ばしできない、体重をかけられない場合は、早めに医療機関へ相談してください。セルフケアは診断や治療の代わりになるものではありません。

 

詳しくは動画でも解説していますのでチェックして下さい。


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