【腕を後ろに回すと肩が痛い】ゴリゴリ鳴る原因は肩だけじゃない?前腕から整えるセルフケア
2026年09月14日

エプロンのひもを後ろで結びにくい。背中をかこうとすると肩が痛い。下着を後ろで留めにくい。腕を後ろに回すと、肩の前や奥で引っかかる感じがしたり、ゴリゴリと音が鳴ったりする。
そんな時、多くの方は肩を揉んだり、肩を回したり、肩を伸ばしたりしますよね。もちろん肩そのものに問題がある場合もあります。ただ、毎回同じところで引っかかる、肩をほぐしても変わらないという場合は、まず肩から少し離れて考えてみてください。
肩が痛い場所と、動きを邪魔している場所は同じとは限りません。今回最初に整えるのは、肩ではなく前腕です。
目次
- まずは腕を後ろに回して、今の状態を確認する
- 最初に触るのは前腕の小指側
- なぜ前腕を整えると肩が動きやすくなるのか
- 肩がゴリゴリ鳴るのは骨が悪いからとは限らない
- 前腕と肩をつなげて考える、経絡の見方
- 仕上げのツボ刺激3つ
- 最後は肩そのものを滑らかに動かす
- アフターチェックで体の答え合わせをする
- 1週間続けて、自分の体の変化を見てみる
まずは腕を後ろに回して、今の状態を確認する
セルフケアの前に、今の体の現在地を確認しておきましょう。片腕ずつ、無理のない範囲でゆっくり腕を後ろに回します。
無理に後ろまで持っていく必要はありません。左右それぞれで、次の4つを確認してください。
- どこまで後ろに回せるか
- どこが痛いか
- 引っかかる感じがあるか
- ゴリゴリ、ゴキゴキと音が鳴るか

痛みや違和感、音が鳴ることも、今の体の状態を知るための大事な情報です。セルフケアをした後に同じ動きを確認すると、どこに変化が出たのかが分かりやすくなります。
最初に触るのは前腕の小指側
今回整えるのは、小指から肘へ向かう前腕の外側です。強く筋肉を押し潰すのが目的ではありません。小指側から続くラインをやさしくゆるめて、腕全体の動きを整えていきます。
1. 前腕を4か所に分けてつかむ
反対側の手で、前腕の小指側を小指寄りから肘方向へ4つに分けます。それぞれの場所を軽くつかみ、順番に動かしていきましょう。
- 片方の前腕を立て、小指側のラインを確認します。
- 小指側から肘に向けて4分割します。
- 各ポイントを軽くつかみ、1から4までを1回として行います。
- これを10回繰り返します。

力を入れて痛みを我慢する必要はありません。しっかり握り込むより、つかんでいる場所を感じながら行うくらいで十分です。
2. 同じ4か所をつかんで揺らす
次に、同じ4つの場所を軽く押さえながら、小さく揺らします。こちらも1から4までを1回として10回行ってください。
揺らす時も大きく動かそうとせず、前腕がふわっとゆるむ感覚で大丈夫です。終わったら、もう一度腕を後ろに回してみましょう。
腕が後ろへ回しやすくなった、肩の引っかかりが減った、ゴリゴリ感が変わった、痛む場所が変わった。こうした変化があれば、まだ肩を触っていないのに前腕からの影響が出ている可能性があります。
なぜ前腕を整えると肩が動きやすくなるのか
腕は肩から先だけが独立して動いているわけではありません。手を使えば前腕が動き、肘が動き、上腕が動き、肩関節が動き、肩甲骨も連動します。

イメージとしては、1本のホースです。ホースの途中がねじれたまま、根元だけを自由に動かそうとしても動きにくいですよね。腕もそれに似ています。
前腕や肘など末端側の動きが悪くなると、その分を肩側が余計に補うことがあります。その結果、肩に負担感や引っかかり感が出ることがあります。
肩は痛い場所かもしれませんが、動きを邪魔している原因は別の場所にあるかもしれません。だから肩を揉む前に、手、前腕、肘、上腕まで腕全体を見てほしいんです。
肩がゴリゴリ鳴るのは骨が悪いからとは限らない
腕を後ろに回す動きは、肩関節だけの単純な動きではありません。肩関節の伸展や内旋に加えて、肩甲骨、肘、前腕の位置も関係して、一つの動作になっています。
そのため、ゴリゴリと音がするからといって、音だけで骨に問題があると決めつけることはできません。腱などの組織が動く際に音を感じることもありますし、関節周辺で音を感じる場合もあります。
つまり、音がすることと、必ず傷んでいることはイコールではありません。
セルフケアより先に相談したいサイン
一方で、次のような場合は一般的な医療的な考え方も大切です。無理にセルフケアを続けず、医療機関などへ相談してください。
- 音と同時に強い痛みがある
- 急に腕が上がらなくなった
- 転倒やけがの後から痛みが出ている
- 夜間痛がかなり強い
前腕と肩をつなげて考える、経絡の見方
一般的には、関節の動き、筋肉、腱、肩甲骨との連動を見ていきます。そこに加えて、東洋医学では経絡のつながりや体全体の巡りも見ます。
今回注目するのは、手の小指側から前腕、肘、肩甲骨周辺へ続く小腸経のラインです。肩だけを見るのではなく、手から腕、肘、肩までのライン全体で捉えていきます。
西洋医学的な連動性と、東洋医学的な経絡のつながり。どちらか一方に偏るのではなく、両方から体を見ることを大切にしています。
仕上げのツボ刺激3つ
ここからは小腸経のラインにあるツボを3つ刺激します。強く押し込む必要はありません。痛みが強い時は圧を弱め、心地よい範囲で行ってください。
後渓(こうけい): 小指の付け根側
軽く手を握ると、小指側にポコッと盛り上がるところがあります。手のひらと手の甲の境目あたりが後渓です。
- 後渓を反対側の人差し指で軽く押さえます。
- 押さえたまま、指先を上下に動かします。
- 左右それぞれ20回行います。
- これを3セット行います。

後渓は首、肩、背中の症状にも使われる小腸経のツボです。左右で押した感覚が違う、片側だけ響くなどの変化も覚えておいてください。
支正(しせい): 前腕の小指側
支正は、前腕の小指側にあります。手首から肘へ向かうラインの中間よりやや手首寄りをたどると、少しくぼみを感じる場所です。
- くぼみを軽く押さえます。
- そのまま肘を上下に動かします。
- 左右それぞれ20回行います。
- こちらも3セット行います。
支正も小腸経に属し、肩の痛み、背中の張り、首の痛みを感じる時に使われるツボです。ツボを刺激した後には、腕を後ろに回して動きの変化を確認してみてください。
少海(しょうかい): 肘を曲げた時の小指側のくぼみ
肘を曲げた時に、小指側にできるくぼみの近くが少海です。この付近は神経が近く、強く刺激するとピリピリしやすいため、強押しはしません。
- 肘を曲げて小指側のくぼみ付近を探します。
- 親指と人差し指で軽くつまみます。
- つまんだまま左右に小さく揺らします。
- 左右それぞれ20秒、これを3セット行います。

少し痛みを感じる場合もありますが、痛気持ちいい程度にとどめてください。ピリピリとした強い感覚が出る時は、すぐに圧を弱めましょう。
最後は肩そのものを滑らかに動かす
前腕から整えた後で、初めて肩周りを動かします。ゴリゴリ鳴るところを直接揉みほぐすのではなく、肩甲骨も含めて滑らかに動かすのがポイントです。
1. 両肩を上げて、後ろへ回してストンと落とす
- 両腕を自然に下ろします。
- 両肩を上に持ち上げます。
- 肩を後ろへ回します。
- 最後にストンと力を抜いて落とします。
- これを10回行い、全体を3セット行います。

大きく勢いよく回すよりも、上げて、後ろへ運んで、力を抜く。この流れを丁寧に行ってください。
2. 肩甲骨を寄せながら腕を少し後ろへ動かす
- 腕を体の横に下ろし、手のひらを前に向けます。
- 胸を大きく反らすのではなく、肩甲骨を寄せる感覚を作ります。
- そのまま腕を少しだけ後ろへ持っていきます。
- ゆっくり元に戻します。
- これを10回、全体を3セット行います。
この動きは胸を張ることが目的ではありません。肩甲骨を寄せて、腕が後ろへ滑らかに動く感覚を作るのがポイントです。
アフターチェックで体の答え合わせをする
すべて終わったら、最初と同じように腕を後ろに回してみましょう。
- 後ろへ回しやすくなったか
- 左右差が変わったか
- 痛みの加減が変わったか
- 引っかかり感が減ったか
- ゴリゴリする音が変わったか
痛みや引っかかりが減った、動きが軽くなったという変化があれば、前腕や肘から肩への連動が関係していた可能性があります。
反対に、音が減らなかったり変化が出なかったりしても、セルフケアが失敗だったわけではありません。今回の前腕ではなかったという評価ができたこと自体が、大きな収穫です。次は別の場所の連動性を見ていけばいいんです。
1週間続けて、自分の体の変化を見てみる
今回の流れは、次の順番です。
- 小指側から前腕を4分割してつかむ
- 同じ場所をつかんで揺らす
- 後渓、支正、少海の3つを刺激する
- 肩を上げて後ろへ回し、ストンと落とす
- 肩甲骨を寄せながら腕を少し後ろへ動かす
まずは1週間を目安に続けてみてください。変化が出ればそれで大丈夫です。変化が出ないなら、原因は前腕以外にあるかもしれません。その場合も、自分の体を知るためのチェックになっています。
肩が痛いから肩を揉む。ゴリゴリ鳴るから肩を揉む。それを続けても変わらないなら、肩以外の手、前腕、肘、肩甲骨とのつながりに目を向けてみてください。
肩だけに決めつけず、体の連動性を見ながら整えていく。この考え方は、肩だけでなく首や腰を考える時にも役立ちます。自分の体を一番知っている理解者になっていきましょう。
よくある質問
肩がゴリゴリ鳴るのは五十肩の前兆ですか?
音だけで五十肩や骨の問題と決めつけることはできません。腕を後ろに回す動きには、前腕、肘、上腕、肩関節、肩甲骨などが関係します。音と一緒に強い痛みがある、急に腕が上がらない、転倒後から痛い、夜間痛が強い場合は医療機関へ相談してください。
前腕ケアは痛いほど強くやった方がいいですか?
強く刺激する必要はありません。前腕は軽くつかみ、揺らす程度で大丈夫です。少海の周辺は神経が近いため、ピリピリするほど押し込まず、痛気持ちいい範囲で行ってください。
セルフケアはどのくらい続ければいいですか?
まずは1週間続けて、可動域、痛み、引っかかり、音の変化を確認してください。変化が出なければ失敗ではなく、前腕以外の場所に原因がある可能性を評価できたということです。
肩を揉むのはやめた方がいいですか?
肩そのものに問題がある場合もあるため、必ずしも肩を触ってはいけないわけではありません。ただし、肩だけを揉んでも変わらない場合は、手、前腕、肘、肩甲骨まで含めた腕全体の連動を確認してみてください。
動画でも詳しく解説しています




















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