【猫背・巻き肩】背中だけ伸ばしていませんか?姿勢を良くする前に見てほしい体のつながり

2026年09月30日

猫背や巻き肩が気になって、

「姿勢を良くしないと」

「背筋を伸ばそう」

「胸を張ろう」

「肩甲骨を寄せよう」

と頑張っていませんか?

もちろん、背中を伸ばすこと自体が悪いわけではありません。

やってみて気持ちいい方もいるでしょう。

ただ、ここで一つ考えてほしいことがあります。

背中が丸く見えているからといって、本当に背中だけの問題なのでしょうか?

猫背や巻き肩を見るとき、僕は背中だけではなく、肩・胸郭・腕・呼吸なども一緒に確認します。

今回は「正しい姿勢を作る」のではなく、

なぜ今、自分の体はこの姿勢になっているのか?

という視点から、自分の体を確認していきましょう。

猫背・巻き肩が気になる人ほど「良い姿勢」を作らない

まず現在の体を確認します。

このとき、わざと良い姿勢を作らないでください。

胸を張らない。

背筋を伸ばさない。

お腹にも力を入れない。

普段どおりの姿勢で座るか、立ってみましょう。

最初に肩を上げて、そのままストンと下ろします。

左右で動きやすさに違いはありませんか?

次に、両腕を前から上げてバンザイします。

無理に上げる必要はありません。

耳の横まで自然に上がるでしょうか?

途中で肩が詰まる。

片方だけ上げにくい。

腰を反らさないと上がらない。

人によって違いがあります。

さらに体をゆっくり右へひねり、次に左へひねります。

左右どちらが動きやすいでしょうか?

この感覚を覚えておいてください。

セルフケア後にもう一度確認します。

「良い姿勢を頑張って作る」と「自然にそうなる」は違う

ここで一度、自分が思う「良い姿勢」を作ってみてください。

背筋を伸ばす。

胸を張る。

肩を後ろへ引く。

見た目は姿勢が良くなったように感じるかもしれません。

では、その状態で10分、20分、1時間と過ごせるでしょうか?

力を抜いた瞬間に元へ戻るのであれば、

「良い姿勢を頑張って作っている状態」と「自然にその姿勢になれる状態」は同じではありません。

僕が見たいのは、

なぜ力を抜くと、今の姿勢になるのか?

というところです。

背中が丸い=背中だけの問題とは限らない

背中が丸くなると、

「背中を伸ばしましょう」

と言われることがあります。

しかし、もう少し広く体を見てみましょう。

背中の前には胸郭があります。

その横には肩があり、さらに腕がつながっています。

スマートフォン。

パソコン。

料理。

洗濯。

車の運転。

買い物袋を持つ。

日常生活を考えてみると、腕を体の前で使う時間はかなり多いですよね。

腕を前で使う時間が長くなれば、肩や胸まわりの動き方にも影響する可能性があります。

その結果として背中が丸く見えているのであれば、背中だけを伸ばしても、また同じ姿勢へ戻ることがあります。

だから僕は猫背や巻き肩を見るとき、

肩は動いているか?
胸郭は動いているか?
腕は動かしやすいか?

というところまで確認します。

姿勢は「テント」のようなもの

姿勢をテントに例えてみましょう。

テントは、一か所だけで形が決まっているわけではありません。

いろいろな方向からロープで引っ張られ、全体のバランスで形が決まります。

例えば、片側のロープだけが強く引っ張られてテントが傾いたとします。

そこで傾いているテントの布を手で押して、

「真っすぐになった!」

と言っても、手を離せばまた戻ります。

なぜでしょうか?

傾いているところだけで形が決まっているわけではないからです。

体も似ています。

背中だけで姿勢が決まっているわけではありません。

肩。

胸郭。

腕。

骨盤。

脚。

そして呼吸。

いろいろな場所の動きやバランスの中で、現在の姿勢があります。

だからセルフケアでも、形を無理やり変えるのではなく、

自然に変わりやすい状態をつくる

という考え方を大切にしています。

胸郭が動きにくいまま胸を張っていませんか?

猫背・巻き肩で確認してほしい場所の一つが胸郭です。

簡単にいうと、肋骨を含めた胸まわりです。

胸郭は呼吸するときにも動きます。

ところが、長時間同じ姿勢で過ごすなどしていると、胸まわりを大きく動かす機会が少なくなることがあります。

そんな状態で、

「姿勢を良くしてください」

と言われたらどうするでしょうか?

胸を張る。

肩を後ろへ引く。

さらに腰を反らせる。

こうして「良い姿勢」を作る人もいます。

見た目は真っすぐになっていても、胸郭が動きやすくなったのではなく、別の場所で形を補っている場合もあります。

だから姿勢を見るときは、

見た目が真っすぐかどうかだけではなく、体が楽に動けるか

も確認してみてください。

猫背・巻き肩で意外と見落とされる「腕」

姿勢というと背中や肩甲骨ばかりに目が向きますが、もう一つ見てほしいのが腕です。

腕は肩につながっています。

そして毎日、スマホ・パソコン・家事・運転などで体の前に置いて使う時間が長くなりがちです。

そこで今回は背中を直接グイグイ伸ばす前に、

呼吸する
↓
胸郭を動かす
↓
肩・腕を動かす
↓
もう一度姿勢と動きを確認する

という順番で体を見ていきます。

「姿勢を治すな」の本当の意味

僕は以前から、

「姿勢を治すな」

という言葉を使っています。

これは「姿勢なんてどうでもいい」という意味ではありません。

僕が伝えたいのは、

姿勢を“形だけ”で直そうとしない

ということです。

猫背だから背筋を伸ばす。

巻き肩だから肩甲骨を寄せる。

それで楽になり、その状態が自然に続くのであれば問題ありません。

しかし、

意識している間だけ。

ストレッチした直後だけ。

しばらくすると元へ戻る。

そんな場合は、少し見方を広げてみてください。

体が今、その姿勢を選んでいる背景があるのかもしれません。

形を変える前に動ける場所を増やす。

呼吸しやすくする。

体全体のつながりを見る。

僕はそこを大切にしています。

あんじ整体院で考える「巡り」と姿勢

めぐり研究所では「巡り」という言葉をよく使います。

「巡り=血流」と思われるかもしれませんが、僕が使っている巡りは、もう少し広い意味です。

呼吸できているか。

関節が動いているか。

筋肉が必要以上に頑張っていないか。

体のいろいろな場所が連動できているか。

こうした体全体が変化しやすい状態を考える入り口として、「巡り」という言葉を使っています。

背中を一度も伸ばしていないのに、肩を動かしたら腕が上げやすくなった。

胸郭を動かしたら、体をひねりやすくなった。

そんな変化があれば、

「背中が丸い=背中だけ」ではなかった可能性

に気づくことができます。

東洋医学では体を「つながり」として見る

東洋医学には経絡という考え方があります。

体を一つひとつバラバラに見るだけでなく、つながりとして捉える考え方です。

腕にも複数の経絡があります。

手から腕。

腕から肩。

そして胸や首まわりへ。

こうしたつながりを考えるため、背中が気になる場合でも、肩や腕など少し離れた場所を見ることがあります。

※経絡は東洋医学独自の概念であり、西洋医学でいう神経・血管などと同じものを意味するわけではありません。

セルフケア① 深呼吸

まずは楽に座ります。

良い姿勢を作らなくて大丈夫です。

鼻からゆっくり息を吸います。

そして口からゆっくり長く吐きます。

これを3〜5回程度繰り返します。

「良い姿勢で呼吸しなければ」と頑張らず、肩の力を抜いて気持ちよく呼吸しましょう。

セルフケア② 胸郭をゆっくり動かす

両腕を胸の前で軽く組みます。

そのまま体を右へゆっくりひねり、正面へ戻ります。

次は左へ。

左右5往復程度行います。

腰だけを勢いよくひねるのではなく、胸のあたりから体全体がついてくる感覚で行いましょう。

呼吸を止めず、無理のない範囲で行ってください。

セルフケア③ 肩と腕を動かす

腕を体の前からゆっくり上げ、無理なく上がるところまで上げます。

そしてゆっくり下ろします。

これを5回程度。

次に肩を上げ、そのまま後ろへゆっくり回してストンと下ろします。

5回程度行ったら、反対方向にもゆっくり回します。

ここでも、

「肩甲骨を寄せなければ」

「胸を張らなければ」

と頑張らなくて大丈夫です。

気持ちよく動かすことを優先してください。

セルフケア④ 肩貞(けんてい)

一つ目のツボは**肩貞(けんてい)**です。

東洋医学では小腸経に属するツボです。

腕を自然に下ろし、肩関節の後ろ側付近を探します。

痛いほど強く押す必要はありません。

気持ちいい程度で5秒押し、離します。

これを3回程度。

反対側も同じように行います。

ここで大切なのは、

「肩貞を押せば猫背が治る」わけではない

ということです。

刺激した後に腕の上がり方や肩の感じがどう変わったのかを確認します。

セルフケア⑤ 少海(しょうかい)

二つ目は**少海(しょうかい)**です。

肘を軽く曲げると内側にしわができます。

そのしわの内側付近を目安に探します。

東洋医学では心経に属するツボです。

こちらも強く押さず、

5秒程度押す。

離す。

これを3回程度行います。

反対側も同様です。

背中の姿勢について話しているのに、なぜ肩や肘を触るのでしょうか?

そこが今回体験してほしいポイントです。

胸郭を動かしたらどうなる?
肩を動かしたらどうなる?
腕を刺激したらどうなる?

少し違う場所へ刺激を入れたとき、自分の体がどう反応するのかを見ていきます。

セルフケア後にもう一度チェック

最初と同じ動きを行います。

肩を上げてストン。

次に腕を前から上げてバンザイ。

そして体を右・左へひねります。

最後に普通に立ってみましょう。

ここでも胸を張ったり、背筋を意識して伸ばしたりしません。

自然に立ちます。

最初と比べて、

肩が楽になった。

腕が上げやすくなった。

胸まわりが動かしやすい。

自然に背中が伸びているように感じる。

反対に、何も変わらない。

どれでも構いません。

変わったことも情報。
変わらなかったことも情報です。

変化があれば「自分の体はこういう刺激に反応する」という情報になります。

変わらなければ、今回確認した場所以外にも目を向けるきっかけになります。

セルフケアは正解を当てるゲームではありません。

自分の体を知っていく作業です。

50代・60代だから猫背になると決めつけない

年齢とともに体にはさまざまな変化が起こります。

ただ、

「歳だから猫背になった」

「もう巻き肩は仕方ない」

と、すべてを年齢だけで終わらせる必要もありません。

肩が動く。

胸郭が動く。

腕が上がる。

振り返ることができる。

呼吸できる。

今ある動きを少しずつ保っていくことも大切です。

目指したいのは、今日だけ見た目の姿勢を良くすることではありません。

10年後、20年後も自分の体で動けること。

旅行へ行く。

買い物へ行く。

自分の足で歩く。

好きなことをする。

そのためにも、

背筋を意識しなくても自然に動ける体

を少しずつ目指していきましょう。

まとめ|「姿勢を正す」から「自分の体を知る」へ

猫背だから背中を伸ばす。

巻き肩だから肩甲骨を寄せる。

それだけで終わらず、

なぜ今、自分の体はこの姿勢になっているのか?

と考えてみてください。

肩。

胸郭。

腕。

呼吸。

そして骨盤や脚など、姿勢にはさまざまな場所が関わっています。

セルフケアでは、

やる前に確認する
→ 整える
→ もう一度確認する

という順番を大切にしてください。

変わったことも情報。

変わらなかったことも情報です。

姿勢を無理やり作るのではなく、自分の体が何に反応するのかを知っていく。

それが、めぐり研究所でお伝えしている「体のつながり」と「巡り」の考え方です。

 

こちらの内容も詳しく解説しています。よかったら参考にして下さい

猫背・巻き肩・姿勢改善



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