【立ち上がる時に腰が痛い】原因は膝にもある?腰だけでは改善しない理由とセルフケア
2026年08月17日

整体やマッサージに行っても、ストレッチをしても腰痛が戻ってしまう。椅子から立ち上がる時や歩き始めに腰が痛い。そんな慢性的な腰痛があるなら、腰だけを見続ける前に、膝の動きにも目を向けてみてください。
腰が痛いのに膝を整えると、腰のつっぱりや重さが軽くなる方がいます。もちろん全員ではありません。ただ、長年多くの身体を見てきた中で、腰そのものを揉むよりも、膝周辺の動きや巡りを整えたほうが変化するケースを数多く見てきました。
歩く、立ち上がる、しゃがむ。こうした動きは腰だけで行っているわけではありません。足首、膝、股関節、骨盤、腰が連動して働いています。今回は、膝が腰痛に関わる理由と、自宅でできる膝まわりのセルフケア、さらに東洋医学の視点から巡りを整える3つのツボを紹介します。
目次
- 最初に確認したいこと。膝を動かす前後で前屈を比べる
- 腰が痛いのに、なぜ膝を整えるのか
- 東洋医学で見る、膝から腰へつながる「巡り」
- セルフケア1:膝のお皿を上下、左右、円に動かす
- セルフケア2:太ももの内側と外側をやさしく揺らす
- セルフケア3:効果を持続させる膝まわりのツボ3選
- 腰痛ケアは、腰だけを揉めばいいわけではない
- 続けるためのセルフケア一覧
- 無理に変えるのではなく、巡りを整える
- セルフケアを行う際の注意点
最初に確認したいこと。膝を動かす前後で前屈を比べる
まずは今の状態を確認しましょう。立った状態でゆっくり前屈し、腰のつっぱり、硬さ、痛みの出方を覚えておきます。無理に深く曲げる必要はありません。
次に座り、片脚を楽に伸ばして膝のお皿を動かします。お皿は強く押し込むのではなく、皮膚の上からやさしくつかみ、動かせる範囲で滑らせるイメージです。
- 膝のお皿を上下に10秒動かす
- 左右に10秒揺らす
- 円を描くように10秒動かす
- 反対回しも10秒行う
- 反対側の膝も同じように行う

終わったら、もう一度ゆっくり前屈してみてください。腰のつっぱり感が減った、少し曲げやすいと感じるなら、膝の動きが腰への負担に関わっている可能性があります。
これは診断ではありませんが、自分の身体の連動を感じるためのシンプルなチェックになります。痛みが強くなる場合は、その場で中止してください。
腰が痛いのに、なぜ膝を整えるのか
膝の動きが悪くなると、その分を腰が代わりに頑張ろうとします。つまり、腰が悪いというより、腰が頑張りすぎている状態になっていることがあります。
自転車の前輪が曲がっていたら、サドルの位置を調整してもまっすぐには走れません。身体も同じです。膝の動きが悪いまま腰だけを整えても、歩くたび、立ち上がるたびに腰へ負担が戻りやすくなります。
膝のお皿は、歩くたびに滑るように動く構造です。ここが動きにくくなると膝全体が硬くなり、膝だけでなく股関節や腰にも影響が伝わることがあります。

私自身、膝の手術後に腰の動きが非常に悪くなり、強い腰痛を経験しました。膝だけをリハビリしても歩きにくい、ジャンプしにくい。そんな経験をしたからこそ、身体は一つにつながっていると強く感じています。
東洋医学で見る、膝から腰へつながる「巡り」
東洋医学では、腰だけ、膝だけというように部位を切り分けて見るだけではありません。膀胱経、胆経、胃経、脾経、腎経、肝経など、足から腰へつながる経絡の流れも含めて考えます。

膝周辺の巡りが悪くなると、腰にも影響が及ぶことがある。この考え方は、道路の渋滞にたとえると分かりやすいです。事故が起きた場所だけでなく、その後ろまで渋滞が続きます。身体でも一か所の巡りが滞ると、離れた場所まで負担が広がることがあります。
また、東洋医学では心の状態も巡りに影響すると考えます。我慢が多い、頑張りすぎる、不安が続く。そんな時は、無意識に脚へ力が入りやすくなります。膝が硬くなり、股関節も動きにくくなり、結果として腰まで頑張る流れになりやすいのです。
身体をケアする時は、呼吸も少しゆるめてください。息を止めて頑張るのではなく、ゆっくり呼吸しながら行うことが大切です。
セルフケア1:膝のお皿を上下、左右、円に動かす
ここからは、変化を続けやすくするための本格的なセルフケアです。先ほどのチェックより少し長く、各方向20秒ずつ行います。片側が終わったら、反対側も同様に行ってください。
やり方
- 座って片脚を軽く伸ばします。伸ばし切れない場合は、伸ばせる範囲で大丈夫です。
- 膝のお皿を上下に20秒動かします。
- 次に左右へ20秒揺らします。両手で動かしても、親指と指で軽くつまんで動かしても構いません。
- 手をお皿にかぶせ、円を描くように20秒動かします。
- 反対方向にも20秒回します。
- 反対側の膝も同じ順番で行います。

膝のお皿が動きにくい方ほど、急に大きく動かそうとしないでください。やさしく、小さく、気持ちよく動かせる範囲から始めましょう。
目安は各方向20秒を3セット。腰痛がなかなか改善しない方は、膝のお皿の動きが悪くなっているかもしれません。
セルフケア2:太ももの内側と外側をやさしく揺らす
次は太もものケアです。ここで大切なのは、強く押し込むことではありません。両手で太ももを軽く押さえ、肉をゆらゆら揺らすようにします。
太ももは次の3か所に分けて行います。
- 膝のすぐ上
- 太ももの中央
- 股関節に近い部分
内側と外側、それぞれの部位を20秒ずつ軽く揺らしてください。片脚が終わったら、反対側も同様に行います。

東洋医学では、太ももの内側には脾経、腎経、肝経、外側には胆経が通ると考えます。ここをやさしく揺らして緩めることで、膝周辺から腰までの巡りをつくっていくという見方です。
膝の痛みが気になる方にも、腰の負担を減らしたい方にもおすすめのケアです。こちらも各部位20秒を3セット行ってください。
セルフケア3:効果を持続させる膝まわりのツボ3選
お皿と太もものケアだけでも腰の負担が軽くなることがあります。さらに変化を持続させやすくするために、膝まわりのツボを3つ刺激します。
いずれも、ツボを押さえながら膝を上下に小さく動かします。強く押し込まず、痛気持ちいい程度で行ってください。片側20秒、左右ともに3セットが目安です。
血海(けっかい):膝の内側から指3本分ほど上
血海は、膝のお皿の内側から指3本分ほど上にあるツボです。東洋医学では血の巡りを整える代表的なツボとされ、膝の痛みや太ももの張りが強い方にも使われます。

- 膝のお皿の内側から、指3本分ほど上の位置を探します。
- 気持ちよい強さで押さえます。
- 押さえたまま膝を上下に20秒、小さく動かします。
- 反対側も同様に行います。
梁丘(りょうきゅう):膝のお皿の外側上、指2から3本分ほど上
梁丘は膝のお皿の外側上、指2から3本分ほど上にあります。歩き始めに腰が響くように感じる方、階段がつらい方、膝の痛みはないけれど腰の重さが気になる方にも用いるツボです。

- 膝のお皿の外側上から、指2から3本分ほど上を探します。
- 押さえながら膝を上下に20秒動かします。
- 反対側も同じように行います。
陰陵泉(いんりょうせん):膝の内側、骨際のくぼみ
陰陵泉は、膝の内側にある骨のきわをたどった時に見つかるくぼみにあります。巡りだけでなく、水分代謝とも関係すると考えられているツボで、脚が重い、むくみやすいと感じる方にもおすすめです。

- 膝の内側の骨のきわを指でたどり、くぼみを探します。
- 心地よい強さで押さえます。
- 押さえたまま膝を上下に20秒動かします。
- 反対側も同じように行います。
腰痛ケアは、腰だけを揉めばいいわけではない
筋肉を緩めるだけで変化する方もいます。それ自体が悪いわけではありません。ただ、腰を揉んでもすぐ戻る、ストレッチしても変わらないという場合は、筋肉だけではなく、関節の動き、神経、そして身体全体の巡りまで見直す必要があるかもしれません。
本来のケアは、筋肉だけ、関節だけ、神経だけで完結するものではありません。身体は全部つながっています。
腰が痛いから腰だけを見る。この考え方だけでは改善しにくい方もいます。歩く動作には、足首、膝、股関節、骨盤、腰がすべて関わっています。だからこそ、膝が変わることで腰が変わる方がいるのです。
続けるためのセルフケア一覧
- 膝のお皿ケア:上下、左右、円、反対回しを各20秒。左右とも3セット。
- 太ももケア:膝上、太もも中央、股関節側を軽く押さえて揺らす。内側と外側を各20秒、3セット。
- 血海:膝の内側から指3本分ほど上を押さえ、膝を上下に20秒。左右3セット。
- 梁丘:膝のお皿の外側上、指2から3本分ほど上を押さえ、膝を上下に20秒。左右3セット。
- 陰陵泉:膝内側の骨際にあるくぼみを押さえ、膝を上下に20秒。左右3セット。
無理に変えるのではなく、巡りを整える
19歳の時に両膝を大きくけがし、手術も3回経験しました。その時、膝だけの問題として見ていては足りないことを、自分の身体で学びました。
身体を無理やり変えるのではなく、巡りを整えることで、本来持っている回復する力が働きやすくなる。私はそう考えています。
健康を失うと時間を失います。時間を失うと、好きなことができなくなります。治療費などのお金も必要になります。だから健康は時間を守り、時間は人生を豊かにし、その先にお金のゆとりも生まれるものだと思っています。
ストレッチや筋トレだけではなく、経絡やツボを刺激して巡りを整えるという視点も取り入れながら、一生自分の脚で歩ける身体づくりを続けていきましょう。
セルフケアを行う際の注意点
痛みを我慢して強く押したり、無理に膝を動かしたりしないでください。強い痛み、しびれ、腫れ、熱感がある場合や、動かすことで症状が悪化する場合は中止してください。医師による診断や治療が必要な可能性がある時は、適切な医療機関へ相談することが大切です。
よくある質問
腰痛なのに膝のセルフケアをしてもいいですか?
歩く、立ち上がるなどの動作では膝と腰が連動するため、腰の負担を見直す目的で膝まわりをやさしく整える方法があります。ただし、すべての腰痛に当てはまるわけではありません。痛みが強くなる場合は中止してください。
膝のお皿がほとんど動かない時はどうすればいいですか?
無理に動かそうとせず、脚を伸ばせる範囲で伸ばし、小さくやさしく動かしてください。押し込むのではなく、皮膚の上からお皿を軽く滑らせる感覚で行うのがポイントです。
ツボはどれくらいの強さで押せばいいですか?
痛気持ちいい程度が目安です。強い痛みを我慢する必要はありません。押す強さを弱めながら、呼吸を止めずに20秒ほど膝を小さく動かしてください。
セルフケアは何セット行えばいいですか?
膝のお皿ケア、太ももケア、ツボ刺激は、それぞれ20秒を目安に3セット行います。最初から無理をせず、身体の反応を見ながら続けてください。









